“今の吉沢亮”だからこそ託された役 『ばけばけ』錦織友一は新たなターニングポイントに

『ばけばけ』錦織友一役は吉沢亮の“転機”に

 2025年度後期(大阪制作)のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』に、吉沢亮が出演することが発表された。朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツと夫ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、「怪談」やそこに宿る人々の思いに光をあてていく物語で、明治という激動の時代を背景に、西洋化の波に呑まれつつも、名もなき人々の心を語り継いだ夫婦の姿が描かれる。

吉沢亮、朝ドラ『ばけばけ』に英語教師役で出演 「思っていた2.5倍くらい英語」

2025年度後期(大阪制作)NHK連続テレビ小説『ばけばけ』に吉沢亮が出演することが発表された。  朝ドラ第113作目となる本…

 主人公・松野トキ役で主演を務めるのは、連続テレビ小説初出演となる髙石あかり。彼女の夫であり、外国人教師として松江に赴任してくるヘブン役をトミー・バストウが演じる。

 吉沢が演じるのは、松江随一の秀才で「大磐石(だいばんじゃく)」の異名を持つ英語教師・錦織友一。松江中学で教鞭をとる一方で、異国からやってきたヘブンを公私にわたって支え、やがてトキとも奇妙な縁で結ばれていくという、物語の鍵を握る人物だ。

 吉沢にとって朝ドラ出演は、『なつぞら』(2019年度前期)以来、6年ぶり2度目となる。この発表を受け、ライターの渡辺彰浩氏は次のように語る。

「もちろん、嬉しいのが第一印象ですが、“ついに来たな”という感覚もありました。吉沢さんは現在31歳。前回『なつぞら』出演時は25歳でしたが、この6年間で確実に俳優としての幅を広げ、同世代の俳優たちと異なるポジションを築き上げてきたと思います。『キングダム』シリーズ(2019〜2024年)をはじめ、福田雄一監督作品でのコメディ要素全開の演技、さらにNHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)での主演と、さまざまな現場で経験を積んできました。山﨑賢人さん、菅田将暉さんといった同世代の実力派がいた中で、吉沢さんは“自分の武器”を丁寧に磨いてきた印象があります。今回の朝ドラ出演は、その積み重ねのうえで自然な流れと言えるのではないでしょうか」

 『ばけばけ』において注目すべき点のひとつが、『なつぞら』『青天を衝け』に続いて橋爪國臣が制作統括を務めていることだ。吉沢にとっては、これまでにも重要な転機となってきた橋爪作品への出演となる。俳優としての新たな一面を引き出す可能性について、渡辺氏は次のように続ける。

「今回の出演発表時に出された吉沢さんと橋爪さんのコメントを読んで、思い浮かべたのは『青天を衝け』の渋沢栄一でした。『なつぞら』で演じた優しさに溢れた天陽くんとは対照的に、人間としての情熱と躍動する姿が印象に残っていて、とりわけ13歳から91歳までを演じきったスケール感には今でも驚かされます。あの経験を経た今の吉沢さんが、再び橋爪さんとタッグを組むことには、大きな意味があるように感じました」

 さらに渡辺氏は、現場の様子について髙石が「カットがかかる度に笑いが起こり、本番中なのにどこからかスタッフさんの笑い声が……」と語っていた点にも注目する。

「『ばけばけ』がどんなトーンの作品になるのかはまだ未知数ですが、仮にコメディ要素が感じられる作品だとすれば、吉沢さんは『銀魂』や『斉木楠雄のΨ難』といった福田組作品でコメディセンスも磨いてきた方です。シリアスからコメディまで自在に行き来できる今の吉沢さんがどんなアプローチを見せてくれるのか、大いに期待が高まりますね」

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