『べらぼう』唐丸の“いま”を考察 染谷将太演じる喜多川歌麿か、それとも写楽?

『べらぼう』唐丸の“いま”を考察

 一方で喜多川歌麿はどんな人物だったかというと、同じく出生地や生年は分かっていないが、30年以上の活動期間に1900点近くの作品を残しており、その大部分は蔦屋重三郎が刊行したものである。美人画で有名な絵師だが、当初は動植物の精緻な絵が評価されていた。そして、女性を描く才能に気付いて美人画に専念させたのが蔦屋重三郎だった。

 唐丸=歌麿であるならば、唐丸が吉原で暮らしていたことがその大きなバックボーンとなっているということだろう。次回予告では蔦重が「唐丸だよな」と驚くカットに続けて、火事の中佇んでいた唐丸の真相に触れているカットのほか、鳥山石燕(片岡鶴太郎)が「ちゃんと絵をやってみねえか?」と語りかけている様子も映されている。鳥山石燕といえば妖怪画で知られ、喜多川歌麿の師匠であるが……。

 もちろん本編が全て史実に則って描かれるわけではないため、あくまで参考にしつつではあるが、個人的には唐丸を“謎の絵師”として売り出す写楽説にときめいてしまう。真相やいかに。

■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK

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