『あんぱん』帰省したのぶの心境はGWの新入社員と同じ? 嵩が見つけた自身の“生きる道”

『あんぱん』のぶはGWの新入社員と同じ?

 4月29日、昭和の日に放送された『あんぱん』(NHK総合)第22話では、それぞれの生きる道が描かれた。

 千尋(中沢元紀)の前で「絵を描いて生きていきたい」と告白した嵩(北村匠海)。黙っているつもりが、寛(竹野内豊)と千代子(戸田菜穂)に聞かれてしまった。絵で食べていくことは現実的ではない。図案(デザイン)ならなんとかなるかもしれない。「かもしれんに人生をかける覚悟」を寛は問いかけ、嵩はあると答えた。寛の提案は美術系の学校へ進学すること。自分の人生に責任を持てるかと念を押された嵩は「はい」と一言。その表情に迷いはなかった。

 その頃、のぶ(今田美桜)は学生寮で洗濯をしていた。隣にはうさ子(志田彩良)。教師と先輩には絶対服従という上下関係の厳しさに、うさ子は「帰りたい」ともらす。師範学校に来たのは意に沿わない縁談から逃げるためと言って泣きじゃくった。そこにやってきたのが黒井(瀧内公美)。のぶに、合格したのは体操の成績が突出していたからで、それ以外に価値はないと言い、うさ子には「鏡川のボウフラよりも弱い」と責め、「お国のために強くなりなさい」と突き放した。この時代、女性に求められるものは、良き臣民として国に尽くすことだった。

 世間はゴールデンウィークで、いつもより『あんぱん』をリアタイ視聴した人も多かったはず。作中で休みを迎えたのぶも実家に帰ってきた。いや、その前に蘭子(河合優実)に会いに朝田パンを訪れた客がいた。岩男(濱尾ノリタカ)は町内の祭りで蘭子を見初めたものの、「食パンの角に頭をぶつけて(以下略)」発言もあり、これまでかと思われたが、フェードアウトせずに再登場。少しこじゃれた雰囲気になり、かしこまって、あんぱん6個を注文する。代金を多めに渡すのは好意のあらわれだが、蘭子は気づいてあえてスルー。当人にその気はないようようである。

 小さい頃から大人びていた蘭子が、進学せず実家の手伝いをしていることを気にしていた視聴者もいたのではないだろうか。羽多子(江口のりこ)から聞かれた蘭子は「このうちでみんなの役に立てること」が自分の志だと語る。その裏に豪(細田佳央太)への秘めた思いがなかっただろうか。

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