戸塚純貴×大東駿介×吉澤要人が“バレエ”を通じて学んだこと 年齢差を超えた友情も語る

戸塚純貴が主演を務め、大東駿介と吉澤要人(原因は自分にある。)が共演する『バレエ男子!』が5月1日よりMBSドラマフィル枠で放送される。本作は、時にはバレリーナを支える縁の下の力持ち的存在である“バレエ男子”たちの笑いあり、青春あり、涙ありの日常を描くお仕事コメディドラマだ。
小森川バレエ団に所属するナルシストなバレエダンサーの小林八誠役を戸塚、八誠の頼れる先輩でベテランダンサーの“マモさん”こと守山正信役を大東、プロレスオタクで天才肌の佐々木真白役を吉澤が演じる。
また、バレエ監修・指導として草刈民代が全面協力。バレエダンサーの菊地研もバレエ指導として参加し、2人のもとで戸塚・大東・吉澤は約2カ月に及ぶ特訓に励んだという。そんな戸塚、大東、吉澤の3人に、バレエの特訓で最も苦労した部分や影響を受けたことについて語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
2カ月間バレエに打ち込んで得たもの

ーーそれぞれの役柄の印象や注目してほしいポイントを教えてください。
戸塚純貴(以下、戸塚):僕が演じる超絶ナルシストバレエダンサーの八誠は、女性がメインで見られがちなバレエの世界で、縁の下の力持ちとして活躍するバレエ男子にも注目してほしいという思いで積極的に活動する行動力のある男です。ちょっと人を巻き込むところもあるんですが、僕はそこが愛らしいなと思います。
大東駿介(以下、大東):マモさんは八誠が所属している小森川バレエ団に長くいて、「キャラクテール」という、簡単に言うとお芝居に特化した踊りを追求しているバレエダンサーです。みんなの相談役で、仙人的なポジションにいる、“おもしろおじさん”でもあります(笑)。
吉澤要人(以下、吉澤):真白は小森川バレエ団の中で比較的若くて、その場で起こったことを楽しんでいる天真爛漫なバレエダンサーです。プロレスオタクなのですが、バレエも大好きな青年です。

ーー吉澤さんはバレエのご経験があるとのことですが、戸塚さんと大東さんはこれまでバレエに触れた経験はありますか?
大東:僕は映像しか見たことがなかったんですが、知り合いにバレエダンサー出身の方がいるので、その大変さと凄さはよく理解していました。バレエは体の全神経を使った踊りで、その美しさの裏に並外れた努力や美意識、精神性の高さが伺えます。それを果たして自分が表現できるのかという不安はあったんですが、その奥にある人間性や、草刈さんと菊地さんに教わった日常の中でしか感じ得ないバレエの魅力を、この作品でしっかり届けたいと思いました。
戸塚:僕はこれまでバレエに全く接点がなく、この作品に出演が決まったことをきっかけに舞台を観に行き、実際に踊りもしましたが、知れば知るほど奥が深くて、本当に肉体表現の頂点に立つような存在だなと思いました。なので、練習はとにかく大変だったんですが、ひたすら自分の心と体と向き合った後の気持ち良さだったり、魅力もたくさん知ることができました。

ーー吉澤さんは何年ぐらいバレエをされていたんでしょうか?
吉澤:本格的に習っていたのは小学4年生から中学1年生までの4年間で、その後もたまにオープンクラスに参加していました。ですが、こんなにもがっつりとバレエのレッスンをしたのは久しぶりでした。
ーーバレエダンサーを演じるということに対しては、どう思われましたか?
吉澤:もちろん経験者ではあるのですが、これまでのままじゃダメだなという思いはありました。バレエは一つひとつ技の名前と型が決まっているのですが、ただその形を作ればいいというわけではなく、噛み砕いていくと本当に細かく注意しなきゃいけないポイントがあるんです。なので、当たり前ですが、一つひとつ手を抜いてはいけないなと思いました。

ーートータルで2カ月ほどの練習期間があったと伺いましたが、他にお仕事もある中で、その期間に集中してバレエを習得するというのは、かなり大変だったのではないでしょうか。
大東:正直に言うと、きつかったです。きつかったですけど、草刈さんと菊地さんに直接バレエを教われるダンサーがこの世にどれだけいるかという話ですよね。こんな贅沢な時間はないという思いで常に挑んでいましたし、期間もそんなに長くはなかったので、「俺、今すごいことさせてもらってるな」という実感の中、あっという間に練習は終わっていきました。しかもお忙しい中、毎日現場に来てくださって、そういう思いも含めて本当にありがたいなと思いました。
吉澤:草刈さんと菊地さんにバレエを教えていただけたことは本当に光栄なことでしたし、体の動きだけではなく、その魅力を一つひとつ丁寧に教えてくださったので、ひたすらバレエに魅せられた2カ月間だったなと思います。

ーー本当に貴重な時間ですね。そんな中で、皆さんはどういうところに一番苦戦しましたか?
戸塚:全部です(笑)。僕は自分がどういうところができていないのかも分からないレベルだったので。ただ、そんな僕にもわかるのは、やっぱり幼少期の頃からバレエを続けていらっしゃる方々は骨格から何までバレエを踊る体になっているんですよね。そのちょっとやそっとでは辿り着けない凄さを、今回身に沁みて感じました。
ーー普段の生活の仕方や身体もかなり変わりそうですね。
戸塚:変わりますね。分かりやすい例で言うと、僕は身長が2cm伸びました(笑)。
大東:僕もこの前、別の作品にクランクインしたんですが、2カ月前の衣装合わせでぴったりだったはずのズボンの丈が短くなっていて、ビックリしましたね。

ーーやっぱり、それだけ影響があるんですね。他にも身体的、精神的両面にわたりいろいろと変化があったと思いますが、その中でも皆さんが今後に活かしていきたいと思ったことを教えてください。
大東:僕は山ほどあります。肉体に対しての解像度が上がったのもそうですし、何より草刈さんと菊地さんのレッスンを受けて印象的だったのは、言語に否定がないんですよ。「ダメ」「できてない」みたいな否定の言葉が一切なく、「ここをこう改善すると良くなるよ」って原因と解決に向けてのプロセスを簡潔に教えてくださるんです。お二人のようなトップダンサーからしたら、僕らなんかもう素人同然だと思うのですが、今できる最上級の動きを肉体から引き出そうとしてくれました。バレエにかかわらず、人と付き合っていく上で得たいと思ったスキルです。
戸塚:バレエダンサーと役者は似て非なるものですが、人から見られる仕事という意味では通ずるものがあるので、美意識や自分の見せ方の部分ですごく勉強させていただいたと思います。正直、これまではそういったものを意識したことがなくて、監督からオーダーされたことに対して、それ以上のものを提示することしか考えていなかったんですよね。これからはもう少し見られている意識や自己プロデュース力を持ちたいなと思いました。
吉澤:僕はこれまでダンスを、どこかで動きとして捉えていたような気がします。でも今回、表現というものにひたすら向き合ったことで、ただ動いてるだけでは人の心を動かすことはできないんだなということがよく分かりました。バレエはすべての踊りの原点だと思うので、これからも続けて“バレエ男子”になりたいと思います。


















