2025.04.17 20:00

『賢い医師生活』メンバーのカメオ出演も　『いつかは賢いレジデント生活』好調な滑り出し

　「辞める」と決意した彼らを引き留めたのは、患者たちとの対峙だった。イヨンは、妊婦を搬送した先の本院ユルジェ病院で、彼女の荷物を見たアン・ウンジン演じるミナ先生（！）に間接的に引き留められる。ここで嬉しいミナ先生の登場だ！　ミナ先生の電話の相手は夫で、ソッキョンと結婚したことが明かされさらに嬉しくなる。ソッキョン役のキム・デミョンと一緒にまた出てきてもらいたいし、“99ズ”メンバーが一緒にいるところも観たい。

　ナムジョンも、困りものの患者のせいで疲れ切るが、彼女を引き留めたのもまた、この患者だった。ナムジョンにやたらと消毒を求めていたのは、教授が彼女の消毒を褒めていたからだと聞かされる。サビもまた、自分にできることで患者を救い、トラブルとなっていた患者と和解する。必要とされていないと思われていたジェイルも、先輩であるダヘが、ジェイルに睡眠を取らせようとしていのも明かされ、ほろりとさせられた。

　クリエイターとして参加しているシン・ウォンホは、自身の作品で若手俳優を起用し、彼らをブレイクさせてきた。イヨン役のコ・ユンジョンは、2019年に『彼はサイコメトラー　-He is Psychometric-』でデビュー後、『Sweet Home －俺と世界の絶望－』『ロースクール』など話題作に出演、『還魂』『ムービング』『もうすぐ死にます』と、主役級俳優へと成長し活躍中だ。美しいビジュアルにハスキーな声が特徴で、アクションもこなす若手俳優だが、本作で見せるシニカルな新たな顔も楽しみなところだ。

　映画で新人らしからぬ演技を見せたシン・シアは、本作ではしっかりもののナムジョン役を演じている。いまどきの女の子が、なりふり構わず医師として成長していくさまの片鱗をすでに見せている。カン・ユソクは、『おつかれさま』で主人公の息子を演じていたが、本作のジェイルとは全く違う役柄で、同じ人物とは思えないほどであった。優秀な姉に嫉妬心を抱き、鬱屈したウンミョンと、完全陽キャのジェイルで、全く違う人人物になりきることができるカン・ユソクの演技力に驚かされる。サビ役のハン・イェジは本作がデビュー作であり、オーディションでシン・ウォンホ監督に見いだされた。良い成績を上げることだけが全てだったサビが、感情を持つ医師となっていくさまをどう演じるかに期待がかかる。

　最後になるが、イヨンとレジデントのリーダーであるドウォンとのロマンスにも注目したい。ドウォンが、イヨンを「520」という名前で電話番号を登録していたが、台湾、中国では「520」というのは、「ウーアーリン」と発音し、「我愛你」（ウォーアイニー＝私はあなたを愛しています）に似ていることから、「520＝I LOVE YOU」という意味らしい。イヨンの耳元で囁いたりと、2人の恋愛フラグが立っているようだ。イヨンが、先輩レジデントのウノン（キム・ヘイン）からいじめられているのを察し、ドウォンが助けたことから、イヨンの中にもドウォンへの恋心が芽生えたようで、眼差しがハートマークになっている。