『恋は闇』想像をはるかに上回る傑作になる予感 志尊淳のペースに呑み込まれる岸井ゆきの

『恋は闇』は想像をはるかに上回る傑作に

 ふとここで思い出したのが、志尊が前クールに出演したフジテレビ系の『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』の第10話。そのなかで元テレビマンの主人公がかつての部下と対峙し、事件・事故の直後に遺族コメントをなぜ撮らなければいけないのか?という疑問をぶつけられる。再発防止になる、他の番組と差をつけること、視聴者が他人の不幸を見たいからなどいくつかの理由が並べられるが、明確な答えは出ない。もちろんそこにそんなものはないのかもしれないが、今回の劇中における先述の浩暉の言葉は、ある意味でメディアが事件に触れることの最大の意義を言い表しているといえるかもしれない。

 いずれにせよ、設楽も然り、万琴の過去も然り、主人公2人の描き込みとそれを活かすストーリー運び、主に2人の間で交わされるダイアローグのひとつひとつが非常に精巧であり、出会いのシーンでバックに映される桜の木など大胆なルックも見応え充分。凄惨な事件現場の描写に、謎めいた登場人物のインサートなど、“ホルス殺人事件”だけでドラマを先まで進めていくだけの強度が確かにあり、当然視聴者の考察意欲もとことんそそる。ミステリーとしてもラブストーリーとしても、実に興味深いドラマとなってくれそうだ。

『恋は闇』の画像

恋は闇

『あなたの番です』『真犯人フラグ』の制作スタッフが完全オリジナル脚本で描く“究極の恋愛ミステリー”。主人公・浩暉に次々と浮上する疑惑と、彼を愛したヒロイン・万琴の葛藤を通して、「真実を見抜けるか?」を描いてく。

■放送情報
『恋は闇』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:志尊淳、岸井ゆきの、森田望智、白洲迅、望月歩、小林虎之介、浜野謙太、猫背椿、西田尚美、萩原聖人、田中哲司
脚本:渡邉真子
音楽:末廣健一郎
監督:小室直子、鈴木勇馬
プロデューサー:鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
チーフプロデューサー:道坂忠久
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
©日本テレビ
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