『あんぱん』今田美桜×北村匠海の「たまるかー!」が気持ちいい のぶと嵩が見つけた夢

『あんぱん』のぶが示すジェンダー観

 第13話では、のぶが夢を見つけるまでの過程も丁寧に描かれた。パン食い競争で1等を獲ったのぶに、パン食い競争に出れず落ち込んでいた少女・小夏(金井晶)が見せた笑顔。ラジオ体操を楽しむ近所の小学生たち。のぶが父・結太郎(加瀬亮)に「おなごも大志を抱きや」と将来への希望をもらったように、次は自分が思いっきり夢を追いかける心を教えたい。のぶはやっと夢を見つけたのだ。

 目指す夢を見つけたのぶは釜次(吉田鋼太郎)に直談判。蘭子と母・羽多子(江口のり子)も共に頭を下げる。「おなごはおなごらしゅう」と言いかけた釜次の言葉に口を挟み、のぶの夢を潰さないでほしいと心から願う母親心に胸が打たれた。結太郎の帽子を被り、頭を下げる蘭子。その帽子を取って釜次の頭に被せ、「おじいちゃん」と笑顔で声をかけるメイコ(原菜乃華)。そしてのぶと蘭子、羽多子の真剣さ、メイコの笑顔に心が動かされ、「仕方ない……」と言うかのように眉毛を八の字に寄せる釜次。上下関係がありながらも、嫁や孫を押さえつけることなく対話で解決して前に進んでいく朝田家の爽やかな家族関係が垣間見えるシーンだった。

 学校の先生を目指し、勉強に励むのぶ。そんなのぶを嵩は眩しそうに見つめる。嵩はまだ自分が何になりたいのか見つけられていなかった。そんな嵩のもとに、『高知新報』の漫画公募の結果が。嵩は見事入選し、十圓の為替を手にする。嵩の夢への道も開けそうだ。

 のぶも嵩も朝田家も「たまるかー!(土佐弁で喜びの感動詞)」と共に前に進んだ第13話。本筋とは別に、気になってしまうのは嵩からのぶへの恋心だ。のぶと千尋の会話を嵩が気にしている戸惑いの表情が何度も描かれていた。柳井兄弟とのぶの三角関係が描かれていくのだろうか。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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