『ガンニバル』S2、いきなりクライマックスのような怒涛の展開! 紐解かれる後藤家の歴史

柳楽優弥主演のディズニープラス スター オリジナルシリーズ『ガンニバル』のシーズン2がついにスタートした。シーズン1が配信されたのは2022年末から2023年前半にかけてなので、およそ2年ぶりの続編にして完結編だ。3月19日に配信された第1話と第2話は、冒頭にシーズン1の簡単な振り返りはあったものの、すぐに本筋――というよりも、いきなりクライマックスのような怒涛の展開が待ち受けるので、まずはそこに入るまでのおさらいからしていこう。
ある事件をきっかけに、山奥にある供花村という閉鎖的な村の駐在として左遷された阿川大悟(柳楽優弥)。彼は妻の有希(吉岡里帆)と娘のましろ(志水心音)と3人で新たな生活を始めようとしていたのだが、赴任早々、山のなかで村を支配する“後藤家”の当主である後藤銀(倍賞美津子)が遺体となって発見される。それをきっかけに村の異質さを目の当たりにしていく大悟は、やがて“村で人が喰われている”という噂を耳にし、真相を確かめようと動きだす。そして銀の孫である恵介(笠松将)ら後藤家と真っ向から対決することとなるのだ。
シーズン1の終盤、村に代々伝わる奉納祭の日に子どもたちが“生贄”として奉納されることを知った大悟が、子どもたちの監禁されている場所を見つけ出そうと所轄の諸辺署の刑事たちと計画を立て、ついにその場所を特定。1人でその洞窟に足を踏み入れたところに、後藤家の“あの人”が襲いかかってくるというところで幕を下ろすこととなった。その直後から、シーズン2はスタートする。
暗闇のなかで“あの人”と格闘を繰り広げる大悟。安全な場所に避難していた有希とましろのもとに後藤家の人間が忍び寄り、諸辺署の署長(利重剛)と金丸(赤堀雅秋)のところには供花村の村長である清(六角精児)が現れる。原作コミックスの6巻のあたりからが描かれていくわけだが、この第1話と第2話では驚くほど主人公である大悟の出番は少ない。その分、シーズン1の後半でたっぷり描かれた後藤家の不穏さ、そして彼らに血脈として流れる忌まわしき歴史が深掘りされていく印象だ。
それを象徴するのは、清や、清の妻であり恵介の母――シーズン1で登場した“顔を喰われた男”京介(高杉真宙)を18年前の祭りの夜に助けだし、いまは京介とともに後藤家から隠れるように暮らしている藍(河合青葉)の口から語られる、恵介の出生の秘密であろう。清にとって恵介は実の息子ではなく、後藤家の血を絶やさぬためにと銀が仕向け、藍と“あの人”のあいだにもうけられた子どもであるという事実。さらに藍もかつては生贄になるはずだった子どもであったということ。いよいよ後藤家の歴史が、少しずつ紐解かれようとしている。