土居志央梨、伊藤沙莉、平岩紙ら『虎に翼』“魔女5”の現在地 朝ドラ放送後も続く躍進

『虎に翼』“魔女5”、朝ドラ後も続く躍進

桜井ユキ

 『虎に翼』で桜川涼子を演じた桜井は、2024年『ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-』(WOWOW)、『ライオンの隠れ家』(TBS系)といった作品を経て、現在は『わが家は楽し』(TBS系)で税理士をしている濱口遥を演じ、過程で起きた離婚問題を解決するために尽力している。これぞ桜井ユキと言える豊かな表情を本作で見せているが、4月から始まる『しあわせは食べて寝て待て』(NHK総合)で主演を務めるとあって、気は早いが期待が高まる。というのも、同作は病を抱えながらも人生を前向きに生きようとする38歳の女性を主人公にしたドラマで、桜井はこれまでに演じてきたクールで知的な役柄とは一味違う、温かみのあるキャラクターに挑戦するというのだ。日常のかけがえのない瞬間を噛み締めて生きていく桜井の丁寧な役作りが見られるだろう。また、『#真相をお話しします』と『フロントライン』と映画に立て続けに出演しており、実力派女優としての地位を固めつつある。

ハ・ヨンス

 韓国出身のハ・ヨンスは、『虎に翼』で朝鮮からの留学生・崔香淑を演じた。日本での俳優活動がまだまもなかったが、崔香淑の心の葛藤を丁寧に表現し、力強く生きる女性を体現していた。インタビューでは今後の活動について、「個人的には私が俳優として文化や芸術を通じて活動しながら、韓国と日本がお互いをもっとよく理解して、もっといい方向で尊重しながら生きていくといいのかなと思っていて、そういう関係の懸け橋みたいな人になりたいと思っています」と明かしていた(※)。現在は主にモデル業やSNSを通じた発信に注力しており、彼女のInstagramはフォロワー数59万人を超えている(2025年3月時点)。今後、再び演技の世界に戻るのか、あるいは別の道を模索するのか、その動向が注目される。

平岩紙

『ホットスポット』©日本テレビ

 『虎に翼』では家庭に悩む梅子を演じ、包容力のある優しい佇まいでチームの母親的存在感を放っていた平岩。ドラマ・映画・舞台でコンスタントに活躍を続ける名バイプレイヤーでもあり、現在はドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)に出演している。平岩が演じる美波は脇役ながら、作品には欠かせないユーモアを生み出しているのだ。喫茶店「もんぶらん」やジョナサンでの会話劇は平岩の一言が展開を左右することも少なくない。本作における笑いの要でもあり、ピンと張り詰めた糸を解いてくれる。1月に放送された『監察医 朝顔2025新春スペシャル』(フジテレビ系)でも、安定感のある演技を見せていた。舞台では所属する大人計画の看板俳優として精力的に活動しつつ、これからも映像作品に欠かせない名脇役としてさまざまな作品で求められるだろう。

 『虎に翼』で共演した5人が放送終了後も多方面で活躍を続けているのを見るのは素直に嬉しい。かつて同じ時間を共有し、切磋琢磨した経験は、今もなおそれぞれのキャリアの中で力となって、新たな挑戦を支えているように思えてならない。それぞれが異なるフィールドで活躍しながらも、かつての絆は形を変えながら息づいている。今後もさらなる成長を遂げ、それぞれの才能が多くの人々に届いていくことを願うばかりだ。いずれまた、彼女たちの道が交わる瞬間が訪れることを期待しつつ、その歩みを見守っていきたい。

参照
※ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240927/k10014593941000.html

『問題物件』の画像

問題物件

さまざまな不動産物件で起こる奇々怪々な事件の謎を、頭が切れて腕っ節が強く、人間離れした破天荒さを持つヒーローとお人よしのヒロインが鮮やかに解決していく不動産ミステリー。

■放送情報
『問題物件』
フジテレビ系にて、毎週水曜 22:00~22:54放送
出演:上川隆也、内田理央、宮世琉弥ほか
原作:大倉崇裕『問題物件』『天使の棲む部屋 問題物件』(光文社文庫刊)
脚本:松田裕子、原野吉弘、北浦勝大
演出:紙谷楓、木下高男、宮木正悟
音楽:森優太、湯浅佳代子、赤坂美和
主題歌:SPYAIR「Buddy」(Sony Music Labels)
プロデュース:江花松樹
プロデューサー:貸川聡子
制作協力:共同テレビ
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/mondaibukken/

 

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