阿部寛×日曜劇場の最強タッグ再び! 『キャスター』で生む型破りなキャスター像に期待

『キャスター』阿部寛×日曜劇場の最強タッグ

 4月期の日曜劇場で放送されるドラマ『キャスター』(TBS系)で、あの阿部寛が主演を務めるらしい。

 彼が日曜劇場で主演を務めるのは、3年ぶりにして6度目のこと。同枠の看板を背負う俳優として真っ先に思い浮かぶのは、やはり阿部だろう。そして今作で演じるのもやはり、“型破り”なキャラクターなのだという。どのような人物像を立ち上げ、私たち視聴者を興奮させてくれるのだろうか。

阿部寛、4月期『キャスター』で3年ぶり日曜劇場主演に 共演は永野芽郁&道枝駿佑

阿部寛が主演を務め、永野芽郁と道枝駿佑が共演するTBS日曜劇場『キャスター』が、4月より放送されることが決定した。  阿部が演…

 本作『キャスター』がテーマとして扱うのは、“報道”らしい。阿部が演じるのはタイトルから予想できるとおり、キャスターである。

 テレビ局の報道番組を物語の主な舞台とした作品は、これまでにも多々あった。けれども今作は骨太な展開が持ち味の日曜劇場のドラマであり、主演は阿部だ。にぎやかなお仕事ドラマというわけにはいかないだろう。実際のところ、阿部が演じる進藤壮一は、「世の中を動かすのは真実!」という信念を持つ男。新藤は公共放送の社会部記者として15年ものキャリアを積み上げ、その後は報道番組のキャスターを務めていたが、民放テレビ局JBNの会長に引き抜かれたことによって、視聴率低迷にあえぐ報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任する。

(左から)永野芽郁、阿部寛、道枝駿佑

 進藤の使命は、生ぬるい報道体制を正すこと。「番組を正すためにやってきた」と豪語する彼は、真実を伝えるためには手段を選ばない。独自のルールで取材や調査を行い、既存のルールなどおかまいなしだ。圧倒的な存在感で周囲を巻き込んでいく、型破りで破天荒な男である。多くの人にとって、「これぞ日曜劇場の阿部寛!」といったところなのではないだろうか。

 現在の日曜劇場の枠では、松坂桃李が主演の『御上先生』(TBS系)が放送中だ。エリート官僚にして教師の主人公・御上孝(松坂桃李)が、次代を担う若者たちとともに腐敗した権力に挑むさまが反響を呼んでいる。社会情勢や政治などは、私たち一人ひとりの生活と切り離せないもの。純粋に楽しめるエンターテインメントに触れるのもいいけれど、単に楽しいだけ、面白いだけではダメ、あるいは物足りないと感じている視聴者は少なくないのではないか。作品をとおして、いまの社会について考えることを観る者に促すーーこれはエンターテインメントの重要な役割のひとつだといえるだろう。

 そうしていま、進藤壮一という新たな我々の導き手が誕生しようとしている。

 阿部は2020年代に入ってからだけでも、『ドラゴン桜』第2シリーズ(2021年/TBS系)と『DCU』(2022年/TBS系)で型破りな主人公を演じ、私たちを翻弄してきた。そして、その背を追う者たちを、進むべき道へと導いてきた。“型破り”というのは、無茶苦茶であることとイコールではない。まずきちんとした“型”があって、それを自らの意志によって“破る”者だけが、“型破り”な存在となることができる。『キャスター』の進藤もまた、そのような人物なのだろう。報道体制を正すため、独自のルールで真実を伝えようと動き回るらしいが、そこには前提として報道マンの型(=基礎)があるはずである。それをどのように破っていくのだろうか。

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