『ゲド戦記』が3月7日に『金曜ロードショー』でノーカット放送 岡田准一らが声の出演

『ゲド戦記』が『金ロー』でノーカット放送

 スタジオジブリ作品『ゲド戦記』が、3月7日の日本テレビ系『金曜ロードショー』でノーカット放送されることが決定した。

 宮崎吾朗監督のデビュー作でもある本作は、『指輪物語』『ナルニア国物語』と並び世界三大ファンタジー小説と呼ばれる同名作品が原作。多くの作家や映画監督に愛されており、宮﨑駿も映画『風の谷のナウシカ』や絵物語『シュナの旅』など自身の作品にも大きな影響を与えたと語っている。

 物語の舞台は多島海世界“アースシー”。西海域の果てに棲む竜が、突如人間の世界に現れたことにより、各地では作物が枯れ、家畜が死んでいった。それは、世界の均衡が崩れつつあることの表れだった。災いの原因を探る大魔法使いハイタカ(ゲド)は、旅の途中、エンラッドの王子アレンと出会う。父である国王を刺し、国を捨てたアレンは心に闇を持ち、得体の知れない“影”に追われてた。ハイタカはアレンと共に旅を続けるうちに、災いの背後には、永遠の命を手に入れようと企む魔法使いクモがいることに気づく……。

 岡田准一をはじめ、手嶌葵、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、内藤剛志、倍賞美津子、夏川結衣、小林薫、菅原文太が声の出演を果たしている。

 本作の見どころは、王子アレンが、ハイタカ(ゲド)との旅を通して成長していく過程。父親である国王を刺してしまうが、なぜそのようなことをしてしまったのか分からないまま国を捨てるアレン。大魔法使いハイタカと共に生活をし、言葉を交わすことで、落ち着きを取り戻す。そして、心を閉ざした少女テルーとの出会いを通して、アレンは闇を恐れることなく、心に光を取り戻していく。

 また、作中で絶望の淵にいたアレンは、旅の中で、ハイタカの昔なじみのもとで農作業をすることに。王子として育てられていたため、うまくできず苦労するが、農作業を通して徐々に元気を取り戻していく。このシーンは、宮崎吾朗監督が「三鷹の森 ジブリ美術館」の館長をしていたころ、年下のスタッフと接する中で、「太陽の下で労働をすれば、みんな悩みが無くなる」というのを実感したことから、取り入れたシーンだという。

 そして劇中で流れる「テルーの唄」の歌詞は、萩原朔太郎の詩『こころ』に着想を得て作詞されたもの。この映画に出てくる登場人物はみんな孤独であり、そんなこの映画の気分が、詩『こころ』に書かれていたからだという。完成した歌詞には「いろんな人に何かを分けたり、もらったりしていくことが、生きていくことだ」という監督の強い想いが込められたそうだ。アレンも、旅路で誰かに助けられたり、誰かの役に立ったりしながら成長していく。「テルーの唄」はテルーのキャラクター像を浮かび上がらせ、さらにアレンや物語全体に大きな影響を及ぼすものになっている。

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■放送情報
『ゲド戦記』※ノーカット放送
日本テレビ系にて、3月7日(金)21:00~23:24放送 ※放送枠30分拡大
声の出演:岡田准一、手嶌葵、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、内藤剛志、倍賞美津子、夏川結衣、小林薫、菅原文太
監督:宮崎吾朗
原作:アーシュラ・K・ル=グウィン
原案:宮﨑駿
脚本:宮崎吾朗、丹羽圭子
音楽:寺嶋民哉
©2006 Ursula K. Le Guin/Keiko Niwa/Studio Ghibli, NDHDMT

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