白石麻衣の武器は“繊細な身体表現” 『アンダーニンジャ』『嘘喰い』で示した実力

白石麻衣の武器は“繊細な身体表現”

 山﨑賢人主演映画『アンダーニンジャ』が絶賛公開中だ。本作は忍者組織「NIN」に所属する末端忍者・雲隠九郎(下忍)が、戦後70年以上に渡り地下に潜り続けている謎の組織「アンダーニンジャ」との戦いに巻き込まれていく“現代忍者エンターテインメント”。

 人気漫画が原作、そのうえ福田雄一監督作ということで公開されてすぐに映画館へと向かったが、良くも悪くも期待を超える作品だった。その大きな理由のひとつが、キャスト陣によるアクション。筆者は普段はアイドルを中心に執筆・取材をしているため、特に目を引いたのは白石麻衣のアクションシーン。それは息を呑んでしまうほど圧巻だった。

『アンダーニンジャ』キャラクター映像<加藤・鈴木>【2025年1月24日(金)公開】

 乃木坂46を卒業後、俳優としてシーンを盛り上げ、映像界に欠かせない存在となっている白石。2024年だけでも、『侵入者たちの晩餐』(日本テレビ系)や『恋する警護24時』(テレビ朝日系)、『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系)、『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』と幅広いジャンルで存在感を見せてきた。現在放送中の『法廷のドラゴン』(テレビ東京系)では、天童竜美(上白石萌音)とともに将棋のプロを目指して切磋琢磨したライバルであり、竜美が弁護士に転向するきっかけとなる人物・駒木兎羽で出演している。第3話時点で出演シーンは限られているが、この先の物語の展開を語るうえでキーパーソンになってくる役でもある。

 白石に関して、先述した『恋する警護24時』でのヒロインポジションでの貢献や『聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメン VS 悪魔軍団〜』の思い切りの良い演技など、いわゆる白石が世間に持たれているイメージを常に更新してきただけに、もはやどんな役できても驚かないだろうと思っていたのだが、『アンダーニンジャ』はとても新鮮に映った。

『アンダーニンジャ』©花沢健吾/講談社©2025「アンダーニンジャ」製作委員会

 白石が演じるのは、「NIN」に所属する凄腕のくノ一で、普段は小説家の編集者として働いている鈴木。男性の加齢臭を嗅ぐのが好きという特殊な性癖の持ち主ではあるが、忍者としての腕前は確かで、編集者としてはおちゃめでかわいらしい一面も。基本的に鈴木は一見すると冷静沈着だが、胸の内にはアツい思いを秘めている。白石の金髪姿の新鮮さを含めても、白石が演じる鈴木の再現度はかなり高い。それだけでも映画を観る価値があるというものだが、本作の見せ場であるアクションシーンを語らずして鈴木の魅力を伝えることはできない。

『アンダーニンジャ』©花沢健吾/講談社©2025「アンダーニンジャ」製作委員会

 鈴木は一言で言えばクール。「UN」との戦闘シーンでは素軽い身のこなしで敵の攻撃を交わしてみせたり、手すりから手すりへと飛び移ったり、手すりをバク転したりと、瞬きをするのが惜しいくらいに怒涛のアクションが繰り広げられる。手すりを飛び移るシーンやバク転するシーンはおそらくワイヤーアクションが使われていると思われるが、あそこまで軽々と身体を自由自在に動かせるのは、白石が積み上げてきた経験だろう。

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