スティーヴン・スピルバーグらが追悼 巨匠デヴィッド・リンチの死にたむけられた言葉

デヴィッド・リンチの死にたむけられた言葉

 巨匠がまた一人、この世を去ってしまった。『ツイン・ピークス』や『マルホランド・ドライブ』などの作品で知られる監督デヴィッド・リンチが78歳で死去したことが1月16日(現地時間)に遺族から発表された。彼は昨年、喫煙による肺気腫を発症したと告白していた。

 突然の別れに他の監督たちや俳優らも追悼の意を表している。自身の半生にインスパイアされて監督した『フェイブルマンズ』にてリンチにジョン・フォード役として出演してもらったスティーヴン・スピルバーグは、彼を「手作り感溢れる映画を監督した、唯一無二の先見の明のある夢想家」と称し、「世界はこのような独創的でユニークな声を失うことになるだろう」と声明にて綴った。

 『アポロ13』などで知られるロン・ハワードは自身のXに「心と魂に従い、過激な実験が忘れられない映画を生み出すことを証明した、優雅な男。そして恐れを知らない芸術家」と彼を讃え、追悼。

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで知られるジェームズ・ガン監督は「私たちに多くのインスピレーションを与えた」とXにて投稿し、『ガンモ』の監督ハーモニー・コリンはリンチに対し「アメリカの荒々しさの残火を吸収した、一世代に一度の才能だ」とIndieWire誌に語った。

 そしてもちろん、彼と共に仕事をした俳優陣もさまざまな場で追悼の言葉を残している。リンチの監督作『ワイルド・アット・ハート』に出演したニコラス・ケイジは、リンチを「この時代、そしていつの時代でも最も偉大なアーティストの一人」と語ったうえで「勇敢で、聡明で、ユーモアに溢れた異端者でした。映画の現場でデヴィッド・リンチと仕事をしたときほど楽しかったことはない。彼はこれからもずっと貴重な存在です」と、Deadline誌でのインタビューで想いを明かしている。

 『ブルーベルベッド』や『デューン/砂の惑星』『ツイン・ピークス』に出演したカイル・マクラクランは自身のInstagramにて「私のキャリア、そして実際のところ人生そのものが彼のヴィジョンのおかげです」と投稿。「世界が素晴らしいアーティストを失った一方、私は自分に未来を想像させ、自分では決して思いつかなかった世界を旅させてくれた大切な友人を失いました」とコメントしている。

 同じく『ツイン・ピークス』に出演したララ・フリン・ボイルはDeadline誌に対し「映画界の真のウィリー・ウォンカが逝ってしまった。彼と一緒に仕事ができるということは、黄金のチケットを手に入れたようなもの。彼がいなくなってしまうことが、本当に寂しい」と語った。

 『マルホランド・ドライブ』で主演を務め、リメイク版『ツイン・ピークス』にも出演したナオミ・ワッツも、自身のInstagramにて「心が砕けそうです」という言葉に加え「彼がいなければ世界は同じではありません。彼のクリエイティブな指導は力強く、彼が私を有名にしてくれたのです。10年も業界に入ろうと、オーディションに右往左往して大変だった時。ようやく私は、好奇心旺盛で光を放ち、まるで異なる時代の言葉を話すかのような……私を笑顔にさせ、安心させる一人の男の前に座りました。どうやって彼は、埋もれていた私を見つけることができたのか。私ですら、自分のことを見失っていたあの時に」と、リンチと初めて出会った時のことを綴った。

 
 
 
 
 
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 同じく『マルホランド・ドライブ』に出演したローラ・ハリングもInstagramで以下のように追悼している。

「親愛なるデヴィッド、あなたに出会ったすべてのアーティストや人々はあなたの死を悼むでしょう。でも私はあなたが天国で映画を作り、文章を書き、絵を描き、瞑想をしていることを知っています」

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