前作の監督から出された“条件”とは? 『モアナと伝説の海2』監督陣が明かす制作秘話

『モアナと伝説の海2』監督陣に聞く制作秘話

 全米では5日間のオープニング興行成績で映画史上No.1の興行収入記録を樹立し、日本でも興行収入20億円を突破するなど大ヒットを記録中の『モアナと伝説の海2』。第82回ゴールデングローブ賞ではアニメーション映画賞にもノミネートされている。そんな本作の監督を務めたのは、デイブ・デリック・ジュニア、ジェイソン・ハンド、デイナ・ルドゥー・ミラーの3人。米カリフォルニア州・バーバンクのウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで本作について話を聞いた。

意見が衝突したときは“卓球”で勝負!?

ーー今回3人で監督することになった経緯から教えていただけますか。

デイブ・デリック・ジュニア(以下、デリック・ジュニア):とにかく『モアナと伝説の海2』はものすごく大規模な作品なんです。なにせ、この映画に関わった人は700人以上もいるんですよ。やることが本当にたくさんあったので、作業を分担する必要がありました。ただ、ほぼすべての作業を僕たち3人で一緒にやっていますけどね。

デイナ・ルドゥー・ミラー(以下、ミラー):私たちにはそれぞれ違う感性があるんです。そんな3人が力を合わせてひとつの作品を作っていく作業は、とても素晴らしい経験でした。まるで卓球のように、3人でいろんなアイデアを出し合って、それぞれ打ち返していたんです。この作品には、ユーモアとハートフルな要素がふんだんにあるので、私たち3人で一緒に監督を務めるのは、この映画にとって正解だったと思います。

ーー意見が衝突することはありませんでしたか?

ジェイソン・ハンド(以下、ハンド):アニメーション自体、たくさんのクリエイターのコラボレーションによって作られるものなので、いろんな意見があるのは当然です。その中で、最もいい意見やアイデアが採用されます。なので、ストーリーもどんどん変わっていきました。僕たちの中で共通していたのは、作品をより良いものにしたいということ。そのための違った意見をいろんな角度から聞けたのはとても良い経験でした。

ミラー:意見が衝突したときは、実際に卓球で勝負するんです。デイブとジェイソンの2人は毎日卓球をしていました(笑)。映画づくりは本当に大変な作業なので、こうやってみんなで一緒に笑い合ったり、みんなでどこかに旅行に行ったりして、楽しみながらやるのがすごく大事なことだと思います。私たちは一緒にいるのが本当に楽しいんです。少なくともそういう“ふり”はしようとしています。

一同:(爆笑)

ーーとはいえ、前作が大成功しただけあって、超えなければいけないハードルも高かったのではないかと想像します。

ミラー:それについては、ものすごく考えました。大ヒットした作品の続編とどう向き合うのか。前作は本当に素晴らしいアドベンチャー映画で、モアナは冒険を通じて、自分が何者なのかという答えを見つけて帰ってきました。その続きを描くこの作品では、モアナは自分自身のことをもう理解していると思っていたのですが、環境が変わって、自分についてまだわかっていないことがあるという事実に気づくんです。つまり、“人は常に変化する”ということ。「成長することを止めない」「そこで終わらない」ということを語る話にしようと思ったんです。

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