『忍びの家』に続き『誰かがこの町で』で再共演 江口洋介×蒔田彩珠、変化した関係性を語る

江口洋介×蒔田彩珠が再発見した互いの魅力

 佐野広実の同名小説を、『ストロベリーナイト』シリーズを手掛けた佐藤祐市が監督を務め実写化した『連続ドラマW  誰かがこの町で』は、とある新興住宅地にある“ルール”に翻弄される人々を描きながら、集団の同調圧力と忖度の恐怖を描いた社会派ミステリーだ。

 そんな本作の主演を務め、元議員秘書であり、現在は法律事務所で調査員として働く・真崎雄一を演じた江口洋介と、彼にあることを依頼する少女・望月麻希に扮する蒔田彩珠にインタビュー。大きな話題を呼んだNetflixシリーズ『忍びの家 House  of  Ninjas』(以下、『忍びの家』)では親子役を演じた2人に、再共演を通して変化した関係性や作品に内在するテーマなどについて語ったもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

蒔田彩珠「『忍びの家』とのギャップがすごい」

――本企画や台本を読んで、どんな印象を持ちましたか?

江口洋介(以下、江口):最初に「ある町に起こった集団による同調圧力と忖度の恐怖を描いた社会派サスペンス」という話を聞いて、率直に面白いなと思いました。集団の圧力で、見て見ぬふりをしたことで事件が起きてしまう……という題材って、今の時代にフィットしていると思うし、自分事として見てもらえるのかなという部分ではとても興味がありました。いままでWOWOWさんで携わった題材って『連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~ 』や、『連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~』など、企業ものや政治ものが多かったので、またちょっと違う社会派物語ということにも惹かれました。

蒔田彩珠(以下、蒔田):舞台が一つの町で起こっていることなので、きっとどこかでこういうことってあるのだろうな……というリアリティを感じました。

蒔田彩珠

――それぞれが演じた役についてはどんなアプローチ方法を?

江口:僕が演じた真崎というのは、とある理由で娘を失ってしまい、学校に対して抗議などをしたことで、妻も離れていってしまう。孤独な男であり、そういう経験から、なるべく人といざこざを起こさず、生きている人なんだろうというベースを作りながら、どこでこの男が覚醒していくのか、誰と出会って変化していくのか、そういう流れは意識してやっていました。あとは、役柄もあり、とにかく説明ゼリフが多い(笑)。それが大変でした。

蒔田:私が演じた麻希ちゃんは、まったく身内がいない子で、自分の家族について調べたいという思いを持っている役柄。いままで演じたことがない設定だったので、過去を想像しながら役を作っていきました。

江口:人間形成の基本となるのって親じゃないですか。それが一切ないという設定は非常に難しかったと思う。どういう想像をしたの?

蒔田:難しかったですが、衣装合わせは大きかったですね。メイクとかネイルとかすごくこだわっていたので、服装や見た目からどういう女性なのか、監督と一緒に作っていきました。それが大きな助けになったと思います。

江口洋介

――Netflixシリーズ『忍びの家』に続く、短いスパンでの再共演はいかがでしたか?

江口:『忍びの家』では、結構ポップな感じの役柄だったのに対して、今回彼女が演じる麻希は、いろいろなことを背負っている女性だったんです。でも『忍びの家』をやっているときも、どこか陰のあるような目をする瞬間があったので、この役も大丈夫という思いがあり、とても楽しみだなと思っていました。

蒔田:『忍びの家』のときはアクションもあり、親子という関係性だったので、私のなかで江口さんは明るい印象が強かったんです。でも今回は内容が複雑だったので、すごく役に没頭されている江口さんがいて。前回とのギャップがすごくて、改めてすごい俳優さんだなと思いました。こんなに早くまた共演できるなんて思っていなかったので、クランクイン前はすごく楽しみでした。

――違うシチュエーションで対峙してみて、改めて感じたお互いの魅力は?

江口:『忍びの家』のときは、思い切り家族の関係性だったので、最初から距離を詰めるために、積極的にコミュニケーションをとっていったんです。「現場まで電車で来ているんです」なんて話をしていて、すごく芸能界のにおいがしない子だなと感じていました。それってすごく大事なことで、このまま行ってほしいなと思っていたんです(笑)。今回はかなり重い役でしたが、しっかりと役の雰囲気を纏うんですよね。全然違う顔をしっかり表現しつつも、自分のペースもしっかり守るところは、きっといい俳優さんになるんだろうなと思いました。

蒔田:嬉しいです。私は、まず『忍びの家』とのギャップがすごいなと(笑)。どのシーンでも俳優さんと、どうやったら良くなるのかを話し合っていて、皆さんの意見もちゃんと聞いてくださるんです。すごく広い心で受け止めてくださる姿は尊敬しかないです。

江口:いやいや(笑)。自分はそんなに仕切れるタイプじゃないので、みんなでその場をどう作っていくかを大切にしているだけです。

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