デヴィッド・ロウリー、タイカ・ワイティティによる短編も 配信で楽しめるクリスマス作品
12月を中心としたアメリカの「ホリデーシーズン」には、家族が集まって過ごす、感謝祭やクリスマスなどのイベントがある。TVではその祝日に合わせて、クリスマス特番などの「ホリデースペシャル」が放送されるのが常である。
近年はインターネットを介した動画配信サービスが主流となり、さまざまな年代のクリスマス映画や時期に合わせた番組が楽しめるようになっているが、それでもやはり風物詩として、“今年ならではの作品が観たい”と思うのが人情ではないだろうか。ここでは、そんなニーズに応えた、日本人にも楽しめる配信用の新作クリスマス映画、番組を紹介していきたい。
ディズニープラスで配信が始まった、短編アニメーション『クリスマスはすぐそこに』は、巨匠アルフォンソ・キュアロンが製作を務める、クリスマス用の短編。2022年にはアリーチェ・ロルヴァケル監督(『幸福なラザロ』、『墓泥棒と失われた女神』)による『無垢の瞳』、2023年にはイアン・ソフトリー監督(『鳩の翼』、『光の旅人 K-PAX』)による『シェパード』と、豪華かつ味わい深いシリーズだったが、今年で最後になる見込みだという。
最終作になると思われる『クリスマスはすぐそこに』の監督は、デヴィッド・ロウリー(『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』、『ピーター・パン&ウェンディ』)。ストップモーション・アニメーションによるヴィンテージ風の映像で、ムーンという名前の好奇心旺盛な子どものフクロウがクリスマスのニューヨークで迷子となり、ルナという人間の子どもに出会うという物語が展開する。脇を固める俳優が、ジョン・C・ライリー、ナターシャ・リオンと、今年もやはり豪華。ぜひこのシーズンに観ておきたいタイトルだ。
また、ディズニー・ホリデー・ショートとして製作された、タイカ・ワイティティ監督のごく短い実写作品『ザ・ボーイ・アンド・ザ・オクトパス(少年とタコ)』も配信された。これは、ディズニープラスだけでなく、ディズニープラス公式YouTubeでも、現在無料公開されている。
南国の海で泳いでいた少年の頭に小さなタコがくっついて離れなくなるという、『ど根性ガエル』のタコ版といえるのが、この作品の設定。帰宅した後も少年とタコは一緒にクリスマスを過ごし、ベストパートナーになっていく。
南半球では、クリスマスといえば夏のシーズンだ。『リトル・マーメイド』(1989年)や『ファインディング・ニモ』(2003年)などの要素がちりばめられた『ザ・ボーイ・アンド・ザ・オクトパス』は、ニュージーランド生まれのタイカ・ワイティティ監督のアイデンティティが反映されたものとなっている。