尾野真千子はやっぱりすごい! 『ライオンの隠れ家』『カーネーション』で味わう感情の重み

『ライオンの隠れ家』尾野真千子のすごさ

 金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)が折り返し地点を過ぎ、いよいよクライマックスへと向かう。少しずつ謎は解き明かされるも、未だライオンこと愁人(佐藤大空)の身の安全は保障されず、ハラハラした気持ちのまま、続きが気になるばかり。その一方で、洸人(柳楽優弥)、美路人(坂東龍汰)と愁人の絆は深まり、互いへ向けた溢れんばかりの愛に胸が熱くなる。そんな本作で、回を重ねるごとに印象的な芝居を見せるのが橘愛生を演じる尾野真千子だろう。

 尾野といえば、河瀨直美監督作『萌の朱雀』(1997年)で主演デビューを果たし、第10回シンガポール国際映画祭の主演女優賞、第12回高崎映画祭の最優秀新人女優賞を獲得するなど映画に愛された俳優である。その後も多くの映画祭で数々の賞を受賞。活躍は映画にとどまらず、『Mother』(日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説『カーネーション』などテレビドラマでも素晴らしい演技を見せ続けてきた。

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 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』では、史実に登場しないオリジナルキャラクター・伊呂波太夫という色香漂うミステリアスな旅一座の女座長役を好演。近衛家の養女というバックグラウンドを生かし、豊富な人脈で主人公・明智光秀(長谷川博己)らの窮地を救う活躍を見せた。さらにNHK連続テレビ小説『虎に翼』ではナレーションを担当し物語を牽引。ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)の心の内を代弁するかのようなセリフの数々にも注目が集まった。凛とした美しさの中に、只者ならぬ信念を秘めるような力強い芝居が魅力の俳優だ。

 『ライオンの隠れ家』では洸人、美路人の異母姉で、愁人の母である愛生役を演じ、過去から現在に至るまで様々な表情を見せている。特に第6話における祥吾(向井理)の回想シーンでは、これまでの愛生とはまるで別人かのような姿で登場。まだ髪も長く小綺麗な身なりで薬指の指輪を撫ぜながら祥吾との結婚を喜び、家族を持てる幸せを痛感するような柔らかい表情を浮かべていた。

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