『マイダイアリー』広海の心の闇が明らかに 佐野勇斗の“晴れやかな笑顔”を願って

『マイダイアリー』広海の心の闇が明らかに

 最近、よく“多様性”という言葉を耳にすることがある。「多様性を認める」とか、「多様性を受け入れる」とか。でも、そういう言葉を聞くたびに、「そもそも“普通”ってなんだろう?」と思ってしまうのは、わたしだけだろうか。誰ひとりとして、同じ人生を歩んでいる人なんていないのに、ちょっとでも違う生き方をしていたり、個性が強い人は、広海(佐野勇斗)のように「あいつ、変なやつ」と指を差されてしまう。『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第5話では、ギフテッドを持って生まれたせいで、孤独を感じながら生きてきた広海の心の闇が明らかになった。

 広海が自分がギフテッドだと気づいたきっかけのひとつが、ドッジボールらしい。広海からしたら、ドッジボールは限られた空間のなかで、人やものが無秩序に動いているように見える。休み時間や放課後に、多くの小学生が楽しんでいる遊びが、広海にとっては苦痛で仕方がなかった。

 それでも、当時は“普通”じゃなくてもいい、誰になんと言われてもいいと思えていた。だから、左右でそれぞれ別の色の靴下を履くことができていたのだろう。「違う色の靴下を履いたっていい。そう思えていた頃の僕は、もういない」。そう言ったときの広海の表情は、とても苦しそうに見えた。

 広海は、自分が普通じゃないと言われることをしてしまうたびに、「ごめんね。巻き込んじゃって」と謝罪をする。でも、仲の良い友人から“巻き込んじゃって”と謝られるのって、なんだか距離を感じて切なくなってしまうのは、わたしだけだろうか。虎之介(望月歩)も、「そんなこと言わせちゃったって思って……」と自分を責めていた。優希(清原果耶)が、「なんで巻き込んじゃダメなの?」と言っていたように、友達なんだから巻き込んだっていい。たまには、迷惑をかけたっていいはずなのに。

「誰かと生きるって……。僕は多分、時々無意識に相手とは違う靴下を履いちゃう。でも、2人でひとつだから。あの人たち、変だねって相手の方も指を差される。そういうのが、怖いから」

 広海は、これまでもそんな経験をしてきたのだろう。「孤独は誰にでもあるけど、孤立はしちゃいけない」と言いながら、自分は誰にも迷惑をかけないように、独りでいなきゃと思ってきたのではないだろうか。

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