『潜入兄妹』貴一らがあぶり出した内通者の正体 信濃と名乗る謎の女性が新たに登場

『潜入兄妹』内通者の正体が明らかに

 朱雀(白石聖)から電話で呼び出され、貴一(竜星涼)と優貴(八木莉可子)が向かった雑居ビル。そこには始末屋の櫛田(フェルナンデス直行)に捕らえられた入間(及川光博)の姿があった。“幻獣”の幹部たちとオンラインで繋がった状態で、入間を始末するよう命令される貴一。しかしそこは、ちょっとしたハッタリを駆使して乗り切ることになる。とはいえ櫛田は、以前青龍(桐山漣)のアジトで入間が優貴の名前を読んでいたことを訝しく思っているようだが。

 11月16日に放送された『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ系)は第7話。今回の本題となるのは入間の一件ではなく、鳳凰(藤ヶ谷太輔)から命じられた、貴一たちのハコのなかに潜り込んでいる九頭龍(川瀬陽太)の組織の内通者をあぶり出すということ。貴一と優貴はハコのパソコンから“カラス”(第5話に登場した、九頭龍の指示で売上金をかすめ取っていた連中だ)のデータがコピーされた形跡を見つけ、それを行った人物を特定。証拠となる監視カメラの映像が保存期間を過ぎて消去されているということで、その復元を行うべく動くのである。

 という一連は、このドラマでは定番となっているハッタリの基本動作。はじめに疑いの目を向けたハコ長の高津(入山杏奈)の協力のもと、彼女を内通者であるとハコの他の面々に嘯くことで、そのなかにいる本物の内通者を油断させるという流れだ。先述の入間の時には彼がGPSを持っていたと見せ、事前に呼んでいた警察がそれによってやってきたと思わせるハッタリを仕掛けた貴一だが、この内通者の一件では監視カメラがハコに仕掛けられていたと見せる。どちらにおいても、小さなガジェットを話術とシチュエーションを用いて有効活用し、相手にこちらの望む動きをさせたという点で一貫している。

 このデータ復元作戦のためにハコの面々が潜入するのは「みなとデータセンター」という施設。そう、『新空港占拠』(日本テレビ系)の第4話で、県警のデータベースから削除された重要な捜査記録を復元させるために志摩(ぐんぴぃ)が1人で出向き、閉じ込められてしまったあの施設である。ちらほらと『占拠』シリーズとの繋がりを出してくる本作ではあるが、こうしてエピソードの中心地として使われるとは。さらに内通者であった芦田(呉城久美)が特殊詐欺に手を染めたきっかけを話す一連で、彼女の娘が入院している病院は、同じく『新空港占拠』で武蔵裕子(比嘉愛未)が働いていた横浜湾岸病院。心臓の病ということは、まさに裕子の専門ではないか。

 さて、前回朱雀の過去が明らかにされたように、今回は玄武(吹越満)の本名と生い立ちが簡潔に語られる。また同時に、鳳凰と青龍の兄弟の貧しかった幼少時代の回想シーンも描かれる。幹部たちの過去はさらりと、鳳凰たちの過去は物語に影響を与えるかたちで大きく描かれるということか。そして九頭龍側の人間として、“信濃”と名乗る顔の見えない女性登場人物が新たに登場。このキャスト考察が、次週までの盛り上がりどころのひとつとなることだろう。

■放送情報
土ドラ10『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:竜星涼、八木莉可子、徳井優、入山杏奈、長尾純子、呉城久美、伊藤あさひ、岡井みおん、半田周平、フェルナンデス直行、神尾佑、及川光博
チーフプロデューサー:道坂忠久
プロデューサー:尾上貴洋
演出:大谷太郎、西村了(AX-ON)、茂山佳則(AX-ON)
脚本:福田哲平
音楽:ゲイリー芦屋
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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