『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』は秘宝をめぐる冒険に? 異例の本予告を考察
こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画およびジャンル映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!
今日は先日解禁になったディズニープラスのドラマ『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』の最新予告編解説です。まずこの作品の概要についてふれておきましょう。
- 『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』は、『スター・ウォーズ』×ディズニープラスの実写ドラマとしては、『マンダロリアン』『ボバ・フェット』『オビ=ワン・ケノービ』『キャシアン・アンドー』『アソーカ』『アコライト』に続くもの。
- 時系列的に『マンダロリアン』『ボバ・フェット』『スター・ウォーズ:アソーカ』と同じとされています。(映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』から5年後ぐらい)。銀河帝国は崩壊し新共和国が生まれましたが、まだ銀河の秩序は混沌としている時代です。
- 製作総指揮は『マンダロリアン』シリーズの製作に携わっているジョン・ファヴローとデイヴ・フィローニ。ショー・ランナーには、トム・ホランド主演の『スパイダーマン』シリーズで監督を務めたジョン・ワッツと、『スパイダーマン:ホームカミング』で脚本を務めたクリストファー・フォード。
- ウィム(男の子)、ファーン(女の子)、KB(特殊なバイザーをかけた女の子)、ニール(青い肌をした象のような種)という4人の子どもが、森の中で墜落して埋もれている宇宙船を見つけそこに入り込んでしまう。その宇宙船が起動し子どもたちを乗せたまま銀河へ。子どもたちは宇宙で迷子になってしまう。この子たちはジュード・ロウ演じる謎の男ジョッド・ナ・ナウッドと出会う。子どもたちの冒険という切り口からもわかるように『スター・ウォーズ』×『グーニーズ』と言われている。
- タイトルのスケルトン・クルー(骸骨の乗組員)とは、この宇宙船の中に白骨化していた乗組員の死体があったから。
では、今回の予告編からわかることをみていきましょう。まずこの予告編でビックリしたのは使われている曲なんですね。80年代にヒットしたドイツのミュージシャン、ピーター・シリングの「Major Tom(Coming Home)」という歌なんだそうです。こういう書き方をしたのは、僕はこの歌のこと知らなかったので。なお調べてみたら、「Major Tom(Coming Home)」はデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」という歌を意識したそうですが、この曲はいま公開中の『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の中で効果的に使われています。いずれにせよ、こういう既存の楽曲をスター・ウォーズの予告編に使ったということは異例。これが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の予告編ならともかく、『スター・ウォーズ』ですよ。このことからも本作が今までのスター・ウォーズとは一線を画そうとしているのがわかります。
『グーニーズ』を意識した作品と言われていましたが、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』的なドラマを目指しているのかもしれません。少年少女が主人公の冒険物には自転車とかスケボーが欠かせませんが、そういう意味合いのメカに子どもたちが乗って走るシーンがありますよね。
そして、子どもたちが住む世界も今までの『スター・ウォーズ』の世界とはどこか違います。しかし、見つけた宇宙船に乗ってハイパースペースを超えたあたりから一気に今までの『スター・ウォーズ』っぽい世界となります。『スター・ウォーズ』の世界にもマルチバース的なものがあって、この子たちは別バースから『スター・ウォーズ』の世界に迷い込んだのでしょうか? さすがにそれはないでしょうが、それくらい2つの世界が違いますよね。ここで注目したいのは酒場(食堂)でお金を支払う際、旧共和国時代のクレジット(お金)じゃねえか、と言われてしまうシーンです。恐らくこのお金は宇宙船の中で見つけたのでしょう。ということはこの宇宙船は旧共和国、少なくとも『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』以前の時代からの産物でしょう。この予告編でわかってきたことは、ジュード・ロウ演じるジョッド・ナ・ナウッドと子どもたちの関わり方です。
単に宇宙で迷子になった子どもたちをなりゆきで家に帰すのを手伝う、というよりはなんらかの意図をもって子どもたちに接触している感じです。だから「パートナーシップを組もう」的なことを言う。つまり“君たちの帰郷に手をかすから、俺の目的にもつきあえ”みたいな。その目的というのが一種の宝探し的なことなのかもしれません。