『マイダイアリー』愛莉との出会いで虎之介に変化が 『アンナチュラル』望月歩が再び好演

『マイダイアリー』虎之介役の望月歩が好演

 いつも、カバンに絆創膏を入れている虎之介(望月歩)。「よくケガをする子なのかな……?」と思ったら、他人の傷を癒してあげるために持ち歩いているらしい。「俺みたいな平凡な人間にはね、ケガしてる人に絆創膏をあげるとか、そんくらいしかできることはないんだ」と思いながら。

 清原果耶主演ドラマ『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第2話は、望月歩が演じる虎之介にスポットが当たった回だった。虎之介は、とにかく優しい。もちろん、優しいのは悪いことじゃない。でも、彼の場合は、自分を犠牲にしてまで誰かに尽くそうとしてしまうのだ。

 優希(清原果耶)らに一緒に練習をしてもらい、準備万端で臨むはずだった企業インターンの面接。しかし、前日の夜にバイト先の常連・美鈴(是永瞳)が雨に濡れうずくまっているのを見かけた虎之介は、つい彼女に傘を差し出してしまう。そして、家まで送り届けて、「俺、朝までいますから」と永遠に美鈴の悩みを聞いてあげたのだった。

 「社会人って、なんで社会人って言うんですかね。学生は、学生人とは言わないのに。ちゃんと、社会に出ないと、人として認められないってことなんですかね」と疑問をぶつける虎之介に、「社会人になるってね、生きてるふりがうまくなることだよ。生きてるふりしてるうちに、生きてるか分かんなくなっちゃった」と本音を吐露する美鈴。すでに限界を迎えていた彼女は、虎之介が手を差し伸べてくれたからこそ、また歩き出すことができたのだろう。

 しかし、肝心の虎之介は、夜通し美鈴の話を聞いていたせいで、面接の時間に遅れてしまう。それでもヘラヘラとしている虎之介を、「自分を犠牲にして、誰かを癒してあげるなんて、そんな関係性、恋なわけないでしょ」と叱咤したのは、愛莉(見上愛)だった。

 たしかに、他人に優しいことは大事だ。わたしたちは幼いころから、「友達に優しくしましょうね」「困っている人がいたら、手を差し伸べましょうね」などという教育を受けてきた。しかし、いちばん大切にしなければならないはずの自分を犠牲にしてしまったら、その優しさはただの自己犠牲になってしまう。

 もしも、愛莉に出会うことがなければ、虎之介はこれからも「俺みたいな平凡な人間は……」と、自分を卑下して生きてしまっていたはずだ。子どもではない、でも大人にはなりきれていない大学3年生のこの時期に、素敵な出会いを果たすことができて、本当によかった。

 「誰かのためには、最後にする。これからは、自分の。自分の大事な人のために、絆創膏を持ち歩く」と宣言した虎之介は、今までよりもちょっぴり大人に見えた。この2人に、優希と広海(佐野勇斗)、そしてまひる(吉川愛)を含む5人は、早速かけがえのない仲間になり始めている。

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