『光る君へ』塩野瑛久の一条天皇はあまりに美しかった 悲しみと安らぎの最期

『光る君へ』塩野瑛久の一条天皇は美しかった

 公式サイトで公開されているキャストインタビュー動画「君かたり」にて(※)、塩野は一条天皇を演じたことについて「とにかく一条天皇を演じていて思うのは、苦しかった」と話しており、「いろんな愛だったりとか人のつながりとか、そういったものをたくさん見つけられた人生でもあるとは思うんですけれども、見つけられたがゆえに苦しかった」ともコメントしている。亡き皇后・定子との日々も、自分の殻を破り、一条天皇への愛情を伝えた彰子との日々も、『源氏物語』との出会いや道長ら公卿たちとのつながりも、情を持って大切にしてきたからこその苦しみが塩野の演技からは感じられた。

 最期の時を迎える場面で、一条天皇は自らの身を案じる彰子を見つめながら、歌を詠む。塩野はインタビューの中で、中宮・彰子についてこのように語っている。

「僕の中では本当にすごく言いたいことだったりとか、思っている気持ちだったりとか、すごくたくさんあるんですけど」
「見てくださっている方の判断だったりとかそういったものに委ねようかなと思っていて」
「僕が彰子のことをどう思っていたかっていうのも、僕なりの正解はちゃんとあったりとかしたつもりなので、それを映像で見て、みなさんが感じていただけたらいいなと思ってはいます」

 第40回の序盤では、彰子が一条天皇の学識に追いつくため、まひろ(吉高由里子)から『新楽府』を学んでいたことを知った一条天皇が「中宮がそのように朕を見てくれていたとは気付かなかった。うれしく思うぞ」と微笑む場面があった。彰子が一条天皇に自らの思いを伝えて以来、2人は深い信頼関係を築いていたと思う。定子との子である敦康親王を自らの子のように大事にしてくれる彰子に対し、一条天皇は深い思いを抱いていたはずだ。一条天皇が病に冒されてから最期を迎えるまでの立場はあまりにも悲しかったが、手を握り、涙を流す彰子が横にいてくれたことが救いとなったと願いたい。

参照
※ https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/blog/bl/pyVjX9MK7y/bp/pWVjp26OwW/

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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