『素晴らしき哉、先生!』大きな決断をしたりおの母の言葉に涙 茅島みずきの光る演技も
「へなちょこな教師だったなぁ。でもね、人間としてへなちょこなんかじゃないから。ママは、そう思うよ。娘のあなたを、誇りに思うからね」
『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・テレビ朝日系/以下『すばかな先生』)第7話。りお(生田絵梨花)の母・奈緒(田中美佐子)の言葉を聞き、思わず涙がこぼれた。
仕事で失敗したとき、プライベートで壁にぶつかったとき。つい、「はぁ、なんてダメダメ人間なんだろう……」と自分のすべてを否定してしまいそうになった経験はないだろうか。ひとつの場所でうまくできなかったからといって、その人のすべてがダメダメなわけじゃないのに。
未婚の母になるというりおの選択は、決して間違っているものではない。浮気性で、「間違いなく俺の子……なんだよね?」なんて言ってくる聖也(小関裕太)とともに育てていくよりは、温かい笹岡家のなかでみんなで育てていった方が、いいに決まっている。
しかし、りおは教師だ。未婚の母になるのは悪いことではないが、いわゆる“普通”のレールからは外れてしまう。多様性が叫ばれる世の中だとしても、“普通”の生き方ができないのなら、教師を辞めるしかない。
これまで、「教師だって人間なんだ」「先生も、自由で悪いか?」と文句を言ってきたりおだが、ここで「教師だって人間なんだから、未婚の母になったっていいじゃん!」と言わないところが、彼女らしいなと思った。
すべてを自由にしてしまえば、なんでもありになってしまう。何かにつけて文句をつけてくるモンスターペアレントの声をすべて吸収すると心がもたないので、“ここからはNG”という線引きは、自分で決めなければならない。りおのなかでは、教師が未婚の母になるのはNGだったのだろう。
たとえ、素晴らしい先生になれなかったとしても、素晴らしい人生になるのなら、それでいいと思う。