『ONE PIECE』五老星の正体は? 実在の偉人、太陽系、悪魔など、モチーフの謎を考察
さらに五老星のモチーフとして気になるのは、それぞれのメンバーが太陽系の惑星に紐づけられた名前をもっていることだ。たとえばサターン聖は土星、マーズ聖は火星とストレートに対応する名前となっている。
そしてナス寿郎聖の場合は「V・ナス」でヴィーナス=金星、ピーター聖の場合は「十・ピーター」でジュピター=木星。ウォーキュリー聖はおそらくマーキュリー=水星で、英語の綴りの「W」と「M」を逆さにしたネーミングではないかと考察されている。
ところで『ONE PIECE』で太陽系といえば、真っ先に思い浮かぶのはニカの存在だろう。というのもニカは古くから「太陽の神」として信仰を集めていた存在であり、世界政府との因縁も仄めかされている。太陽とセットであるはずの惑星たちが、敵対する勢力の中枢を占めていることに、もう1つの“逆さま”を感じてしまう。
また、五老星が着ている服も示唆的。彼らのほとんどは真っ黒なスーツに身を包んでおり、まるで喪服のようだ。ナス寿郎聖だけは唯一の例外で真っ白な和装だが、日本では昔は白こそが喪服の色だったとされているため、一貫性のある描写とも言える。
では彼らが揃って喪服を着ているとすれば、一体誰の死を悼んでいるのか……。これも五老星における大きな謎といっていいだろう。
そのほか、五老星の正体については「悪魔」だという説もある。彼らがいる部屋の壁に魔法陣のようなものが小さく描かれていること、原作における登場シーンで魔法陣が描かれていることなどがその根拠だ。
悪魔といえば、シャボンディ諸島の戦いにて、ブルックがバーソロミュー・くまによってナマクラ島へと飛ばされ、現地の人々に「悪魔王サタン」と勘違いされるという展開があったことが印象的。この時、ナマクラ島の住人たちは魔法陣が描かれた床の上で、悪魔を召喚する儀式を行っていた。
すなわち『ONE PIECE』の世界では、現実と同じように魔法陣と悪魔が結び付けられているということだ。こうした描写は、五老星の秘密を暗示しているのかもしれない。
なお、五老星もさることながら、彼らが従うイム様も秘密が多いキャラクターだ。いずれも世界の謎の中心に位置しており、「空白の100年」に絡んでくる重大人物であることは間違いない。今後、原作やアニメでその正体が明かされることを期待しよう。