『アンナチュラル』『MIU404』『ラストマイル』はなぜ支持される? 3作出演の大倉孝二に聞く
満島ひかり主演、塚原あゆ子監督、野木亜紀子脚本の映画『ラストマイル』が公開から17日間で観客動員数213万人を超え、興行収入30.2億円を突破するなど大ヒットを記録している。ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)、『MIU404』(TBS系)と同じ世界線で物語が展開するシェアード・ユニバース作品としても注目を集める本作。『アンナチュラル』『MIU404』『ラストマイル』の3作品すべてに出演している数少ないキャストのひとりが、西武蔵野署所属の刑事・毛利忠治を演じている大倉孝二だ。そんな大倉に、『ラストマイル』出演の背景や役者としてのスタンスについて話を聞いた。
「愛されている役なのかな」と感じる毛利刑事
ーー大倉さんは『アンナチュラル』『MIU404』、そして『ラストマイル』と3作続けて出演している数少ないキャストですが、『ラストマイル』の話はいつ頃聞いたんですか?
大倉孝二(以下、大倉):『MIU404』の撮影中に塚原(あゆ子)監督と雑談していたときに、「また作品を増やす構想がある」ということを聞いていたんです。野木(亜紀子)さん、新井(順子)プロデューサー含め、いい意味でものすごい野心を持っていて、「そんなことを考えてるんだ!」と尊敬しましたね。カッコいいなって。
ーーそのときから出演することは決まっていたんですか?
大倉:いや、そのときは「出てください」という具体的な話はなかったんですが、僕自身も「呼ばれたらいいな」とは思っていて。なので、正式にオファーが来たときは、「あ、来た。呼んでくれた!」と思いました。
ーー毛利を演じるのは、『アンナチュラル』と『MIU404』に続き3度目となりました。
大倉:ただ今回は、『アンナチュラル』『MIU404』でずっとコンビを組んで一緒に動いてきた向島くん(吉田ウーロン太)ではなく、『MIU404』の刈谷さん(酒向芳)と組むことになる。警察組織の中でも立場があるので、組む相手が変わったときに毛利がどう変わるのか、そういうことを探りながら撮影に臨みました。
ーー酒向芳さんとの初コンビはいかがでしたか?
大倉:酒向さんとは以前に別の作品でもご一緒したことがあったので、すんなりとコンビになれた気がします。酒向さんがはっきりと方向性を持ってお芝居をされている感じが最初からあったので、僕はそれを見つつ、どう反応していくかを考えながら演じていました。
ーー『アンナチュラル』『MIU404』メンバーも再集結していましたが……。
大倉:僕は会ってないんですよね。
ーー共演シーンはあまり多くありませんでしたよね。撮影現場でも会っていないんですか?
大倉:『アンナチュラル』チームとは会ってないんですよ。だから完成した作品を観て、「あー、出てる」という感じで(笑)。『MIU404』のチームは、捜査会議で麻生(久美子)さんとか橋本(じゅん)さんにはお会いしました。
ーー『アンナチュラル』も『MIU404』も年末年始に再放送が行われるなど、放送から数年経っても多くの人に愛され続けています。
大倉:普段の生活の中で誰かに何かを言われることってあまりないんですけど、『アンナチュラル』や『MIU404』に関わるような情報があったりすると、SNSとかですごい反響があるんですよね。そういうのを目の当たりにすると、未だに人気が衰えていないことを実感します。同じ人物を違う作品で演じるのも今回が人生初めてだと思いますし。
ーー大倉さん自身も毛利という役に特別な思い入れはありますか?
大倉:他の役と比べて特別違うように思っている、ということはないです。どのお仕事も同じようなスタンスでやっているつもりなので。ただ、どうしても人情的に、またこのチームで一緒に仕事ができるというのはとても嬉しいですし、また出させてもらえるということは、作っている人たちにも観てもらってる人たちにも愛されている役なのかなとなんとなく想像するので、それはやっぱりすごく嬉しいことですね。