『虎に翼』石橋菜津美の“冷たいまなざし”が胸を打つ 裁判官の“一人の人間”としての葛藤

『虎に翼』裁判官“一人の人間”としての葛藤

 母・寛子(宮田早苗)に対して「一人で逃げたのは、お母さんでしょ?」と言った時の冷淡なまなざしには、恨みや憤り、虚しさや失望など複雑な心境が渦巻いており、胸をつく。そして美位子が殺人を犯した瞬間も映し出された。はっきりとした表情を見ることは叶わない。だが、暗がりに映し出された横顔と、あの瞬間を思い出したのか顔をこわばらせる美位子の姿を見れば、想像を絶する苦しみは十分理解できる。

 劇中、最高裁人事局の会議で行われたとされる発言を聞き、早々に泣き出した中山(安藤輪子)に「先輩、早いです」とツッコミを入れるよね(土居志央梨)(よねもまた寅子から「よねさんも早い」とツッコミを入れられていた)や、のどか(尾碕真花)が結婚するかもしれないと知り、動揺を隠し切れない航一など、コミカルな場面もあり、シリアスな話題だけではなかった第118話。とはいえ、難しい議題は続いている。第24週はどのような結末を迎えるのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、石田ゆり子、森田望智、土居志央梨、ハ・ヨンス、戸塚純貴、高橋努、平埜生成、塚地武雅、趙珉和、三山凌輝、川床明日香、円井わん、青山凌大、今井悠貴、菊池和澄、井上祐貴、尾碕真花、池田朱那、平田満、余貴美子、沢村一樹、滝藤賢一、松山ケンイチ
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる