『マウンテンドクター』は現場主義の理想を掲げる 檀れいが示した危機的状況下の振る舞い

現場主義の理想掲げる『マウンテンドクター』

 『マウンテンドクター』の台詞は、良い意味で行間を読ませないストレートなものだ。第10話のような危機的場面で、周子と純家たち対立する者同士の間で交わされる言葉の応酬は、ノーガードの打ち合いに似た迫力があり、海外ドラマのような引き込まれる熱量があった。

 江森と現場に駆けつけた歩、玲(宮澤エマ)の手によって登山者は搬送され、治療を受けた。しかし依然、意識不明の重体である。劇中のシビアな状況は、現実の登山者に甘い見通しを語らない優しさで成り立っている。一方で、生と死の狭間で揺れる“救えるかもしれない命”を生の方向に向けるものがあるなら、生存の可能性を信じることはその第一歩になる。

 医師は遭難現場へ向かうべきではないという信条を持つ江森の内面の変化は、歩とMMTによってもたらされた。美鈴は、雪崩に巻き込まれる直前まで遭難者を助けようとしていた。主に周子と江森の視点で描かれた第10話は、最後に歩にバトンが渡された。江森を助けられるか、いや何としても助けると歩は信じ、目の前の命と向き合う。次週、『マウンテンドクター』は最終回を迎える。

■放送情報
『マウンテンドクター』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:杉野遥亮、岡崎紗絵、宮澤エマ、向井康二、八嶋智人、檀れい、大森南朋
脚本:高橋悠也
演出:国本雅広、高橋貴司、保坂昭一
プロデューサー:近藤匡(カンテレ)、大城哲也(ジニアス)
音楽:林ゆうき
主題歌:Official髭男dism「Sharon」(IRORI Records/PONY CANYON INC.)
制作協力:ジニアス
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/mountaindoctor/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/_mountaindoctor
公式Instagram:https://www.instagram.com/_mountaindoctor/
公式Tiktok:https://www.tiktok.com/@_mountaindoctor

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