『ビートルジュース ビートルジュース』北米No.1 ジェナ・オルテガ人気が後押し
夏が終わり、秋が始まった。全米脚本家組合&全米映画俳優組合による前年のストライキの影響で、引き続き作品不足となるハリウッドは、年末の話題作ラッシュに備えてしばしスローな動きとなる見込みだ。
そんななか、9月6日~8日の北米週末ランキングでNo.1を飾ったのは、ティム・バートン監督の最新作『ビートルジュース ビートルジュース』。北米4575館という超拡大公開で、3日間の興行収入は1億1000万ドル。本年公開作品としては、『デッドプール&ウルヴァリン』と『インサイド・ヘッド2』に次いで第3位の北米オープニング記録となった。
本作は、ティム・バートンの出世作『ビートルジュース』(1988年)の35年後を描くホラーコメディ。マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラが前作から続投したほか、バートンが製作総指揮・監督を務めた『ウェンズデー』(2022年~)で世界的にブレイクしたジェナ・オルテガ、モニカ・ベルッチ、ジャスティン・セロー、ウィレム・デフォーが新たに加わった。
『マッドマックス:フュリオサ』など、サマーシーズンの話題作が苦戦したワーナー・ブラザースにとって、『ビートルジュース ビートルジュース』のヒットは吉報だ。製作費1億ドルに対し、1億1000万ドルという北米オープニング成績は期待通り(週末3日間で約770万人が本作を鑑賞したという)。海外では前作が劇場公開されなかった市場もあるが、世界興収も1億4540万ドルと好調で、今後の推移にも期待がかかる。
また本作は、9月公開作品として『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)に続く歴代第2位の北米オープニング成績を記録。第3位は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019年)だから、トップ3をすべてワーナー作品が占めたことになる。出演者のライダー、オハラ、ベルッチ、セロー、オルテガにとっても過去最高の初動成績となった。
そもそも前作『ビートルジュース』は、1988年の公開当時、北米興収7370万ドルを稼ぎ出して年間トップ10にランクインした大ヒット作。その懐かしさで老若男女の幅広い客層にアピールできたことに加え、本作もRotten Tomatoesにて批評家スコア76%・観客スコア82%という好評価を得られたことがヒットにつながったとみられる。
観客の男女比は男性42%に対し女性が58%。前述の通り、『ウェンズデー』から若い世代の熱い支持を受けるオルテガの出演も功を奏し、特にSNSでのプロモーションを強力に後押ししたと考えられている。日本公開は9月27日、世界でも屈指のティム・バートン人気がきちんと数字に現れるかどうかがポイントだ。