眞栄田郷敦×高橋文哉×板垣李光人×桜田ひよりが語る美術の楽しさ 「俳優の仕事と似てる」

眞栄田郷敦ら『ブルーピリオド』4S座談会

『ブルーピリオド』で最も好きな絵は?

ーー映画の中では原作に登場する絵をベースにした印象的な美術作品がいくつか登場しますが、個人的に最も心に残った作品を教えてください。

眞栄田:俺はやっぱり(「縁」をテーマにした)F100号かな。撮影もほぼ1発撮りで絵を描いて。ものすごい緊張感があったんです。撮影含めて思い出のある作品です。

眞栄田郷敦
眞栄田郷敦

桜田:私は自分が描いた天使の絵です。作中で八虎の心を動かすきっかけになるだけの存在感もあるし、どこか優しい芯の通ったところもある。「見る人によって、感じ方が変わる絵だな」と思っていました。そういう部分を劇中でもとても大切にしていたので印象に残ってます。

眞栄田:手がいっぱいついてる、観音様のやつもいいよね。

桜田:あれはほんとに圧巻でしたよね……!

板垣:僕は最終試験のヌードの絵です。あれ実は、(完成するまでの)過程の絵もすごくたくさんあるんですよ。八虎が1個1個筆を入れていく姿も現場で見れたし、気に入ってます。

高橋:「絵」と言われると違うかもしれないのですが、僕はユカちゃんの試験のバッテンが印象に残っています。あれを描くってなったときに、「どういうつもりでこのバツを描けばいいのかな」って。ゆかちゃんの心情を理解するだけでは到底できないなと思ったので、バツを描くだけですが、何回かやっているんですよ。

高橋文哉
高橋文哉

ーーそれだけこだわりがあったんですね。

高橋:ユカちゃんが今まで表面的に出してこなかった、自分を固めていた硬いものを、あのバツの2画で飛ばせるぐらい迫力のあるものにしたいなと。弱さだったりとか、甘えだったりとか……。それぐらい説得力を持ってやらないといけないと思ったんです。ただキャンバスにバツを描くという行為じゃなくて、1つの作品にしたかった。僕はあのバツの作品は、弱さの象徴だと思っていました。

眞栄田:確かに……。『ブルーピリオド展』にもバツの展示、ありましたしね。

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“努力できる才能”について

ーー映画では「才能」と「努力」がテーマの一つとして描かれています。俳優として「才能がある人」とはどのような人だと思われますか? 代表して眞栄田さん、お願いします!

眞栄田:“努力できる人”じゃないですか?

全員:(頷く)

高橋:本当に、努力できる才能がある人が強いですよね。

眞栄田:この世界だと、才能があるように見える人って、自分で才能を作っている気がするんです。スポーツとか肉体を使うものは確かに才能だったり、ときには遺伝子だったりが大事になってくると思いますけど。そういうものもないわけじゃないかもしれないけど、努力をしている人が才能ある人になるんじゃないかな。

■公開情報
映画『ブルーピリオド』
全国公開中
出演:眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、中島セナ、秋谷郁甫、兵頭功海、三浦誠己、やす(ずん)、石田ひかり、江口のりこ、薬師丸ひろ子
原作:山口つばさ『ブルーピリオド』(講談社『月刊アフタヌーン』連載)
監督:萩原健太郎
脚本:吉田玲子
音楽:小島裕規(Yaffle)
主題歌:WurtS「NOISE」(EMI Records / W’s Project)
製作:映画「ブルーピリオド」製作委員会
制作プロダクション:C&I エンタテインメント
配給:ワーナー・ブラザース映画
©山口つばさ/講談社 ©2024 映画「ブルーピリオド」製作委員会
公式サイト:blueperiod-movie.jp
公式X(旧Twitter):@blueperiodmovie
公式Instagram:@blueperiodmovie

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