『虎に翼』同居問題を巡り家族裁判が開廷 玲美が見せた“結婚にはこだわらない”の姿勢

『虎に翼』玲美の同居問題巡り家族裁判が開廷

 終戦記念日の8月15日に放送された『虎に翼』(NHK総合)第99話は、家庭の平和を願う全ての人に向けられたものだった。 

 猪爪・佐田家(以下「猪爪家」と略)を航一(岡田将生)が訪れる日。寅子(伊藤沙莉)の相手を迎えるとあって、花江(森田望智)や直人(青山凌大)たちはなんだか落ち着かない。しかし、寅子がそわそわしていた理由はそれだけではなかった。

「直明さんとお付き合いさせていただいている田沼玲美と申します」

 開いた窓から挨拶したのは直明(三山凌輝)と婚約者の玲美(菊池和澄)だった。庭から入ってくる珍客は共亜事件での穂高(小林薫)と花岡(岩田剛典)以来である。結婚してからも猪爪家に住みたい直明は、結婚したら家を出るべきと主張する花江と対立し、二人の仲は険悪になっていた。このままだと平行線をたどると考えた寅子たちは、航一が訪問する機会に話し合いの席を設けたのだった。こうして猪爪家の家族裁判が開廷する。

 裁判の争点は直明夫妻の同居である。猪爪家の同居問題は過去に数次勃発し、そのたびに議論が紛糾した。第1弾は戦前にさかのぼる。新婚の花江ははる(石田ゆり子)との嫁姑関係に悩み、その時は花江が直道(上川周作)と別宅で暮らすことで解決した。第2弾は、寅子の転勤が決まり、優未(竹澤咲子)を新潟に連れていくべきかが問題になった。当時、優未は寅子に本音が言えず、花江や直明たちと暮らす方が優未にとって良いのではと周囲が心配。結局、優未自身が新潟行きを決断し、母娘の関係は大きく進展した。

 「縁あって家族のような」道男(和田庵)も加わり、裁判長の航一が見守る中で総勢9名による仁義なきバトルの幕が切って落とされる。戦中戦後の困難な時期を乗り越えた猪爪家の人々は結束が固く、互いに遠慮がない。眼鏡をかけた玲美は教師で、実は寅子とも面識があった。直明の友人で家庭裁判所の設立時に手伝いに来ていた玲美は、教師として直明と再会。猪爪家には、第19週で花江が新潟の寅子を訪れたときに忙しかった直明を手伝うために来宅し、ライスカレーを振る舞った。直明の交際開始もそのタイミングだった。

 道男が「この人めちゃくちゃしゃべるな」と寅子を引き合いに出すくらい、玲美は「グイグイくる」タイプである。花江からすると心中穏やかではないだろう。自分がいない間に一家の台所に入り込み、胃袋をつかむ所業をやってのけた玲美とは、この時点で将来互いに火花を散らす素地ができていた。案の定、同居をためらう花江に直明の未来の妻は「私を同居させたくないのは、直明さんとの結婚が気に入らないからですか?」と剛速球を投げつけた。

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