『マウンテンドクター』熊エンカが引き起こした悲劇 “歩”杉野遥亮を襲った最悪の結末
『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)第5話では、野生動物の脅威に注目が集まった。
第1話で心臓のペースメーカー手術を受けた宇田(螢雪次朗)は、亡き妻の節子(藤倉みのり)と約束した山に登ることを目標に懸命にリハビリに取り組んだ。歩(杉野遥亮)の指導の下でめざましい回復ぶりを示し、ついに念願かなって山でのテント泊に挑戦することになった。
快晴の空の下、一歩一歩確かめるように足を運ぶ宇田の表情は充実していた。色とりどりのテントが張られた光景を堪能し、眠りについた夜半、事件は起きた。耳をつんざく絶叫と生き物の気配を感じ、周囲に目をやると隣のテントが倒れていた。道中で出会った若い夫婦のうち夫の尚樹(高島豪志)は肩を負傷しており、妻の麻里子(新原ミナミ)は顔から流血していた。聞くとクマに襲われたという。
近年、クマによる人身被害は急増している。つい先日も上高地から徒歩2時間30分の岳沢小屋でクマがテントを襲う被害が相次いで発生した。現在テント場は閉鎖されている。7月下旬には大町市にある登山道の柏原新道で、下山中の女性がクマに襲われて顔に傷を負った。また、6月には青森県にある日本百名山の八甲田山で、ツキノワグマによると見られる死亡事故が発生。登山道は全面閉鎖され、いまも解除されていない。
クマは人間を怖れているため、鈴などで存在を知らせれば襲われることはないと考えられていた。しかし、北海道のヒグマに限らず、本州のツキノワグマが人を襲う事例が何件も報告されており、これまでの常識は通用しないと考えた方がよい。万が一遭遇した時に備えて、クマよけスプレーなどの準備や身を守る方法を事前に調べることをおすすめする。
話を戻すと、クマは人間の顔を狙って攻撃することから、麻里子は顔をひっかかれて裂傷を負った。救護しようにも深夜のためヘリは飛ばず、救助隊は駆けつけられない。宇田は歩に連絡し、鮎川山荘から小屋番の二人が現場へ急行した。しかし、待ちきれない宇田は麻里子を背負い、尚樹に同伴して山荘へ向かった。