『GO HOME』“バディもの”としての異質さを読み解く 八津弘幸脚本の既視感のない面白さ

『GO HOME』バディものとしての異質さ

 一方で、桜と真に秘密や事情がないわけではない。第1話では桜の飛び降りの過去が、第2話では福島の海と真の過去がインサートで示唆された。桜と真の関係性はすでに出来上がっているとはいえ、彼女たちにはそれぞれに乗り越えなければならない事情があることは明白だ。彼女たちが自身の過去を乗り越える様子も描かれ、互いに影響しあい、支えあうといった、“バディもの”ならではのカタルシスにも繋がっていくだろう。

 日本の警察ドラマでは珍しい“出来上がっているバディ”が活躍する本作は、それぞれのエピソードの良さだけに集中することができる稀有なドラマだ。それぞれのエピソードで描かれる人生を通して、自身の周りに起きる生と死について想いを馳せることができるだろう。

■放送情報
『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:小芝風花、大島優子、阿部亮平、柳美稀、戸次重幸、半海一晃、高島礼子、吉田鋼太郎
脚本:八津弘幸、佐藤友治
音楽:横山克
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:荻野哲弘、鈴木将大、本多繁勝(AX-ON)
演出:菅原伸太郎、大谷太郎ほか
制作協力:AX-ON、アバンズゲート
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/gohome
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/gohome_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/gohome_ntv
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@gohome_ntv

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