『GO HOME』小芝風花×大島優子は相性抜群のバディ 猪突猛進な桜が見せた意外なギャップ

『GO HOME』桜×真は相性抜群

 小芝風花が主演を務めるドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』(日本テレビ系)が、7月13日にスタートした。

 本作は、警視庁に実在する部署「身元不明人相談室」をモデルに描く、ミステリーヒューマンドラマ。遺体に残されたわずかな手がかりから、死の真相を明らかにし、家族や恋人の元に帰すため、捜査官の三田桜(小芝風花)と月本真(大島優子)が奔走する。

 初回を観て、一番印象に残ったのは、小芝風花と大島優子のバディとしての相性の良さだ。天真爛漫でコミュ力高めの25歳の桜、10歳上の同期でクールで冷静沈着の真。2人は歳が離れた同期バディである。「私に同意を求めないで」と桜と距離を置く真との性格はまるで正反対だが、亡くなった死者のため、そして残された遺族のために、根気強く捜査していく姿勢、負けず嫌いな性格は似た者同士とも言える。バレバレな仮病で有休を取ってまで、それぞれが聞き込みにあたり、仕舞いには残された手がかりを追って山を登り、翌日筋肉痛になりながら出勤しては室長の利根川譲治(吉田鋼太郎)に仲良く怒られる様子は微笑ましい。溜飲を下げるためのキックボクシングが身体的ならば、事件終わりの“茶番”といった会話劇においても、2人の相性の良さは表れている。

 桜を演じる小芝の芝居も表情豊かで良かった。桜は真っすぐで、言い換えれば猪突猛進キャラ。そして美味しいものには目がない、グルメな人物でもある。そこをなだめるのが、真のポジションでもあり、標本マニアの西川(坂本真)への聞き込みでカッとなった桜が見せた我を忘れた怒りの表情は、初回においての意外なギャップだ。インサートとしてフラッシュバックしている自身の飛び降りの過去は今後明らかになっていくのだろう。また特筆しておきたいのは、亡くなった富田(浅利陽介)のスマホを転落現場から見つけさえすれば、生前の思いが分かるかもしれない、けれどこれ以上認められていない休暇を取ることは服務規程違反になる――というジレンマを抱えた桜が、利根川に向ける「(じゃあ、どうすれば……!)」といった言葉にならない甘えるような、悔しさが滲むような、子犬のような表情は、セリフではなく演技の中に解釈を委ねる、ある種の自然な芝居であるように思える。

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