『笑うマトリョーシカ』櫻井翔の恐るべき“演技の演技” “美恵子”は本当に実在するのか?
国会での答弁、記者会見でのコメントに至るまで、清家の“舞台”はすべてが綿密に計画されたシナリオに基づいているようだった。それは彼の自叙伝『悲願』にも如実に表れている。しかし、鋭敏な道上は、本のある部分、そして学生時代に書いたハヌッセンに関する論文に、清家の本音が記されているのではないかと推測した。『悲願』の中で“美恵子”(田辺桃子)について書かれた部分を、清家自身が執筆したと道上は考えたのだ。大学3年の時に知り合った美恵子は、清家の当時の恋人でもあった。
一方で、道上は武智の死亡事故についても調査を進める。清家に接触し、2つの事故の関連性から鈴木について尋ねる彼女の姿勢は、真実への執着を感じさせる。「あなただって、関係を絶ちたいと思ってるんじゃないですか?」と清家に迫る道上の質問は鋭い。
しかし、そのタイミングで鈴木が事故に巻き込まれる。原因は運転手の居眠り運転とされたが、この偶然にはやはり背後にある何かを想像せずにはいられない。
道上の調査はさらに進む。清家の論文について、3年生の時の課題と卒論では主張が一転し、ハヌッセンを批判していたという事実は興味深い。「清家くんの考えが変わったのは、彼女の影響かもしれない」という教授の言葉もあり、道上は清家の背後にいるのは鈴木だけではないのではないかと考え始める。さらに道上は、美恵子が鈴木を殺そうとしているのではないかという仮説を立てたのだった。
第2話のラスト。清家が道上との接触を完全に断った決断は、本当に清家自身の意思なのだろうか。それとも、彼の背後に潜む何者かの指示によるものなのか。「清家」という人形の表層には鈴木の影響が色濃く見える。しかし、そのさらに下から聞こえてくるのは、美恵子の高らかな笑い声なのかもしれない。
■放送情報
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:水川あさみ、玉山鉄二、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、加藤雅也、筒井真理子、高岡早紀、櫻井翔
原作:早見和真『笑うマトリョーシカ』(文藝春秋)
脚本:いずみ吉紘、神田優
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
©︎TBS
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