目黒蓮は感情を“目の動き”に込める俳優だ 『海のはじまり』で泉谷星奈に向ける愛の眼差し

目黒蓮は感情を“目の動き”に込める俳優だ

 今までの目黒の出演作を振り返ってみると、『わたしの幸せな結婚』では愛する人への不器用だが真っ直ぐな愛を体現していた。目黒は愛する人を見る時、どんな役柄であっても、穏やかで優しさ溢れる表情を見せる。普段の表情とは大きく変わらないが、愛情がしっかりと伝わる細かな目の動き。それはまさに恋人だけでなく、愛する子どもと向き合う際にも生まれる眼差しだ。

 また『月の満ち欠け』で演じた三角哲彦の、1人残された人間としての喪失感や葛藤、愛した女性の知られざる一面を受け入れようとする姿も、夏と重なるのではないだろうか。インタビューにおいて目黒は、「20歳ぐらいのときの自分にすごく似てるなと思いました」「性格や考え方、それと台本を読んでいてなんとなくイメージする人物像みたいなところにも共感できました」とコメントしており(※1)、『月の満ち欠け』で演じた三角は“目黒蓮そのもの”に近かったと言える。『海のはじまり』についても「自然と共感できる役柄」と話している目黒(※2)。1兆ドルを稼ぐことを目指す無鉄砲な役柄で新たな一面を見せた『トリリオンゲーム』(TBS系)や、パイロット候補生を演じ、難しい用語も完璧にこなした『舞いあがれ!』(NHK総合)などのような新境地の開拓というよりは、彼自身が持つ落ち着いた雰囲気や温かみのある空気感を活かしつつ、さらに飛躍した演技力が期待できる。

 娘の海を演じるのは、本作と同じく生方美久脚本の『いちばんすきな花』(フジテレビ系)や『厨房のありす』(日本テレビ系)でメインキャラクターの幼少期を演じた泉谷星奈。100人越えのオーディションを受け、満場一致でこの役を勝ち取った実力者だ。まだたった7歳の彼女は、夏の複雑に入り混じる感情をどのように受け止め、どのように自身の内面を表現するのか。徐々に家族として受け入れあい、親子の絆を深める2人のケミストリーにも注目したい。

 夏について、ドラマ公式サイトには「めんどくさいことや、頭を使うことなどを避けるようにして生きてきた部分もあり、特に大きな挫折を経験したこともなく生きてきました」とあるように、彼はごく平凡な28歳だ。そんな夏が、予想もしなかった大きな転機を経て、どのように成長していくのか。変化し続ける目黒蓮の表現力も楽しみにこれからの放送を待ちたい。

参照

※1. https://realsound.jp/movie/2022/12/post-1200453.html
※2. https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/introduction/

■放送情報
『海のはじまり』
フジテレビ系にて、7月1日(月)スタート 毎週月曜21:00~21:54放送
※初回30分拡大(21:00〜22:24放送)

出演:目黒蓮、有村架純、泉谷星奈、木戸大聖、古川琴音、池池松壮亮、大竹しのぶほか
脚本:生方美久
演出:風間太樹、髙野舞、ジョン・ウンヒ
主題歌:back number「新しい恋人達に」(ユニバーサル シグマ)
プロデュース:村瀬健
音楽:得田真裕
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/umi_no_hajimari
公式Instagram:https://www.instagram.com/umi_no_hajimari
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@umi_no_hajimari

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