『アンメット』の岡山天音が“沼”すぎる 脳外科医・綾野役で放つ大人の色気
『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)の岡山天音が“沼”すぎる。彼が演じている脳外科医の綾野は、脳血管内治療(=カテーテル)において、国内で最も注目されている若手医師。主人公のミヤビ(杉咲花)とは、過去に恋仲にあった(?)ような描写もあるため、後半戦の鍵を握る人物になるのは間違いないだろう。
綾野は、とくに胸キュンさせるような行動を取っているわけではないので、「どんなところが沼なの?」と聞かれると、すごくむずかしいのだが、存在しているだけで引き込まれてしまうというか……。個人的には、ゆったりとした口調と柔らかい笑顔の裏に、冷たく合理的な一面が見えたときに、とてつもない色気を感じる。また、本来は温かい人であり、権力の犬にはなりきれていないのが伝わってくるのもいい。孤独を感じていそうな描写があるたび、つい「守ってあげたい」と思ってしまう。とにかく、綾野を見ていると感情が忙しい。
正直なところ、序盤は綾野がここまでの沼キャラになるとは思っていなかった。というのも、演じている岡山は、これまでモテとは縁遠いような三枚目に扮することが多かったし、『日曜の夜ぐらいは…』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の市川みねや、『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024年)の田所など、どちらかと言うと色気を封印したポジションを担当しているイメージが強かったから。
しかし、第4話あたりからだろうか。急激に色っぽさを醸し出すようになったのは。頭で行動をする綾野は、心のまま動いている三瓶(若葉竜也)とは正反対に位置するキャラクターだ。だからと言って、彼の生き方を否定することはしないところがいい。三瓶が、大迫(井浦新)が行っていた手術に無断で割り込んだときも、「聞いたよ。相変わらずメチャクチャだね〜」とあくまで飄々としていた。心のどこかでは、三瓶のように自由に生きたいという気持ちがあるのかもしれない。
また、綾野はおそらくミヤビに未練があるのだろう。記憶障害を抱えているミヤビは、過去に自分が綾野とどんな思い出を作ってきたのか。彼に対してどんな気持ちを抱いていたのか、すべて忘れてしまっている。だったら、思い出さないままにしておけばいい。自分の心にしまっておけば、すべてがうまくいくと思っているのだろう。