『響け!ユーフォニアム』吹奏楽の楽曲を紹介 「宝島」など実際に“あるある”な選曲も

『響け!ユーフォニアム』吹奏楽の楽曲紹介

 アニメ『響け!ユーフォニアム3』の冒頭、新入部員歓迎会のシーンで、星野源の大ヒット曲「恋」を北宇治高校吹奏楽部が演奏していたことに衝撃を受けたファンは多いだろう。私自身「北宇治バージョンの『恋』だ……」と驚きながらも画面を観ていた反面、新歓の場で話題の曲を演奏するのは、吹奏楽部あるあるとも言える。実際、学生時代に吹奏楽部に属していた筆者の学校では、新入生歓迎会では毎年、嵐のメドレーを演奏することが恒例となっていた。

 すでにファンにとっては周知の事実かもしれないが、『響け!ユーフォニアム』シリーズでは実在の曲と架空の楽曲を効果的に使い分けている。吹奏楽のオリジナル作品やポップスアレンジなど、実在曲が多数登場する一方で、ストーリー上の重要な場面では「三日月の舞」のようなフィクションの作品が用いられることも。

 本項では、アニメ『響け!ユーフォニアム』で実際に演奏された印象的な楽曲を一部抜粋して紹介しよう。

「宝島」

 「宝島」は吹奏楽ポップスの名曲シリーズの一つで、吹奏楽経験者に好きな曲を尋ねれば必ず挙がるほどの人気曲だ。軽快なアゴゴ(カンカンと音が鳴るベルが二つついた打楽器)の音が印象的で、学校によっては振り付けなどのパフォーマンス要素を盛り込むことができる楽曲でもある。『響けユーフォニアム2』第7話「えきびるコンサート」では、北宇治高校吹奏楽部の演奏曲として登場した。本来アルトサックスのパートであるソロを、本作ではわざわざバリトンに変えているところも見どころの一つだ。Cからのサックスソロは岡本来夢が、Fからのソロは小笠原晴香がバリトンサックスで演奏している。

吹奏楽経験者の視点から観た『響け!ユーフォニアム』 リアルな“キャラ描写”に思わず共感

現在、アニメ『響け!ユーフォニアム』第3期が放送中。京都アニメーション制作の人気シリーズで、第3期では主人公・黄前久美子が部長と…

「プロヴァンスの風」「三日月の舞」

 「プロヴァンスの風」は、『響け!ユーフォニアム2』第5話「きせきのハーモニー」で北宇治高校吹奏楽部のA編成部門のコンクール課題曲として登場する。原作小説では「三日月の舞」が課題曲だったが、TVアニメ版ではこの曲の代わりに、第1期が放送された2015年当時の実際の吹奏楽コンクール課題曲である「プロヴァンスの風」が起用されている。実際に課題曲として演奏した経験がある人には、思い入れの深い楽曲かもしれない。一方、「三日月の舞」はTVアニメのために書き下ろされた楽曲だが、麗奈と香織がトランペットのソロパートを巡って競い合ったシーンが印象に残っている視聴者も多いだろう。

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