CLAMPキャラ原案『グリム組曲』制作秘話を鈴木達央&Pが語る 「今のWIT STUDIOがわかる」
一方、音だけでなく目にみえる視覚的な仕掛けも見逃せない。注目すべきは絵柄の多彩さだ。鈴木も「各話の絵のタッチがどんどん変わっていくのが面白い」と興味を引かれたという。CLAMPによるキャラクター原案をいかに活かすかということに、制作陣もこだわりを感じていた様子。二宮は「なるべくCLAMPのタッチに失礼がないよう意識していました」と振り返る。
そこで和田から「CLAMP先生と鈴木さんは『BLOOD-C』以来?」との質問が飛ぶと、鈴木は「久々にCLAMPちゃんの絵柄の中で役をやるっていう。やっぱり話してるといくらでもいいアイデア出てくるし、毎回楽しくやってたんで、そういう空気感がまたすごく嬉しかったですね」と当時を懐かしんだ。
CLAMPとWITの架け橋として全6話のアニメーションの作画の統一感を担ったのが、同スタジオの大杉尚広だ。「大杉は本当に頑張ってくれました。CLAMPとWIT、双方の利点を活かした絶妙なアートワークに仕上がったと思います」と二宮は称賛の言葉を贈った。
トークも終盤に差し掛かり、司会の二宮が「では最後に一言お願いします」と振ると、鈴木は「こうやって人柱みたいに立ってるんですけど(笑)ひどいんですよ、最終的に僕に投げられるんです」とユーモアたっぷりに応じ、会場を沸かせた。
鈴木は「今回の『グリム組曲』は、ちょっと聞いただけでもその面白い作り方をしている、自分たちが知っているものとはちょっと違うアニメーションになったと思います。僕自身も全てを見させていただきましたが、監督ごとにカラーリングも違うし、出してくるものも違う。統一感はあるのに色が違うっていう、なんとも人間らしいフィルムができあがっています。これを見たら、今のWIT STUDIOがわかるかもしれません」「そんな不思議なグリム童話の世界を、ぜひ皆さんにも配信で楽しんでいただけたら」と視聴者へのメッセージを込めて、イベントを締めた。
■配信情報
Netflixシリーズ『グリム組曲』
Netflixにて、4月17日(水)より独占配信
キャスト:福圓美里(シャルロッテ)、鈴木達央(ヤコブ)、野島健児(ヴィルヘルム)ほか
監督:第一話「シンデレラ」金森陽子、第二話「赤ずきん」赤松康裕、第三話「ヘンゼルとグレーテル」橋口淳一郎、第四話「小人の靴屋」鎌倉由実、第五話「ブレーメンの音楽隊」竹内雅人、第六話「ハーメルンの笛吹き」仲澤慎太郎、プロローグ・エピローグ:久保雄太郎、米谷聡美
脚本:横手美智子
キャラクター原案:CLAMP
キャラクターデザイン:大杉尚広
音楽:宮川彬良
アニメーション制作:WIT STUDIO
制作協力:Production I.G
プロデューサー:和田丈嗣
エグゼクティブプロデューサー:櫻井大樹
製作:Netflix