松山ケンイチ&小林薫は“信頼”できる! 『虎に翼』が序盤から問いかける“現在も続く不平等”

『虎に翼』が問いかける現在も続く不平等

 穂高の人物像も視聴者の心を掴んだに違いない。演じている小林薫の面持ちや台詞の言い回し、佇まい全てに穂高の穏やかな人柄が表れている。しかしただ物腰が柔らかい人物というわけではない。釈然としない顔つきの寅子に教室へ残るよう勧めた穂高は、学生たちへこう問いかけた。

「君たち、これが世の女性の反応だ」
「法律とは、全ての国民の権利を保障すべきなのに……。君たちはこれをどう捉える?」

『虎に翼』第3話

 万人は法の下に平等とされているが、不平等を感じている人がいる。法律上の権利と現実とのズレに疑問を持ち続けること、そしてその疑問を解決につなげていくことこそが大切なのだと伝えたいのではないか。穂高の公平を重んじる姿勢が伝わってきた。

 講義終了後、思いのままに気持ちを明かす寅子に穂高は感心し、自分が教授を務める明律大学女子部法科に入るよう勧めた。

 進学に賛成してくれた父・直言(岡部たかし)を味方につけ、寅子は願書を出願したが、母・はる(石田ゆり子)への説得は保留に。親友であり寅子の兄・直道(上川周作)と婚約中の花江(森田望智)にも制されてしまった。果たして寅子ははるを説得することができるのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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