『アイのない恋人たち』“愛してるの響き”をいつまでも胸に 踏み出す勇気をくれた最終回
だからこそ本作では、アラサー男女7人が、それぞれの恋愛観だけでない家族の問題を抱えながらも、愛し合おうとする姿が丁寧に描かれたのだろう。SNSやアプリで繋がりやすくなった現代だからこそ感じる孤独や不安。そんな中で登場人物たちは、人を愛することで他者を理解する以上に自分自身のことを知っていく。『アイのない恋人たち』は、そんな現代の若者の生き様を切り取った、まさに“今”を描くドラマだった。
視聴者の中には、仕事に悩む多聞や、家族との関係に悩む奈美など、それぞれのキャラクターに共感を覚えた人も多かったはずだ。SNSでは、毎話放送終了後に「自分は〇〇に似ている」「〇〇の気持ちがわかる」といった声が多数上がっていた。それは、遊川が丁寧に描き出した等身大の若者たちの姿が、リアリティをもって視聴者の心に響いたからに他ならない。
最終回で真和たちは自らの選択で新たな一歩を踏み出し、それぞれの「幸せ」を掴んでいく。彼らの成長と変化の物語は、現実の世界で同じような悩みを抱える若者たちにとって、一つの道しるべになったのではないだろうか。
もちろん、現実の恋愛や人生は、ドラマのようにすべてがうまく収まるわけではない。時には辛く苦しい経験をすることもあるだろう。挫折や失敗、別れの痛みに直面することもあるかもしれない。だが、『アイのない恋人たち』の7人が私たちに教えてくれたのは、そんな逆境の中でも、誰かと繋がり、愛することの尊さなのだ。
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いつかまた この場所で
君とめぐり会いたい ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄🧩
『#アイのない恋人たち』最終話より#福士蒼汰#本郷奏多#前田公輝 pic.twitter.com/IfbuyuG2Px
— 日10ドラマ『アイのない恋人たち』【公式】 (@ainonai_koibito) March 17, 2024
最後に7人が紡ぐ「ここにいる」というセリフが、「(それでも僕らが)ここにいる」と聞こえたのは私だけではないはずだ。たとえ孤独や不安に苛まれても、私たちは一人ではない。誰かと繋がり、愛し合うことで、再び立ち上がる力を得ることができるのだと、彼らは示してくれたのかもしれない。
〈“愛してる”の響きだけで 強くなれる気がしたよ〉
ドラマの放送が終わり、私たちの日常に別れと出会いの春がやってくる。新しい生活に踏み出す人もいれば、大切な人との別れを経験する人もいるだろう。それでも恐れることはない。ふと寂しさや不安に襲われた時には、どこかの桜の木の下から聞こえる、“愛してる”の響きが勇気をくれるはずだから。
参照
※ https://www.asahi.com/articles/ASS3163QZS2WUCVL00G.html
■配信情報
『アイのない恋人たち』
TELASA、U‐NEXTにて、見放題配信
TVer、ABEMAにて、放送終了後見逃し配信
主演:福士蒼汰、岡崎紗絵、本郷奏多、成海璃子、前田公輝、深川麻衣、佐々木希
脚本:遊川和彦
演出:綾部真弥、吉川鮎太
音楽:平沢敦士
制作協力:ホリプロ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
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