『マダム・ウェブ』完全ネタバレ解説 3人の少女はどうやってスーパーヒーローになる?

『マダム・ウェブ』完全ネタバレ解説

結局、あの3人はどうやってヒーローになる?

 この映画で、ジュリア(シドニー・スウィーニー)、マティ、アーニャ(イザベラ・メルセド)の3人にはスーパーヒーローになる未来が待っています。ではどうやって超人になるのか?

 コミックの設定をざっと説明しましょう。ジュリアは、2代目スパイダーウーマンとなります(初代スパイダーウーマンはジェシカ・ドリュー。アニメ映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』でも言及されていました)。科学実験によって蜘蛛の毒×超人血清みたいなものを注入され、スーパーパワーを獲得。サイオニック(念力のようなサイコパワー)で蜘蛛糸を作り出します。コミックではジュリア・カーペンターという名前ですが、この映画ではジュリア・コーンウォールという名ですよね。コミックでは、彼女は結婚歴があり、“コーンウォール”は旧姓です。ジュリアは後に2代目カサンドラ・ウェブになります。

 マティは、3代目スパイダーウーマン。背中から4本の蜘蛛脚を出すことができます。ノーマン・オズボーン(グリーン・ゴブリンの正体)による黒魔術的儀式に巻き込まれ、蜘蛛の力を得ます。

 アーニャは、スパイダーガールと名乗ったり、アラーナ(スペイン語で蜘蛛の意味)という名で活躍することもあります。彼女もまた魔法で力を得ます。かつては青い外骨格(甲羅)を発生させることもできました。ジュリアは科学の力で、マティとアーニャはオカルト寄りの理由でスーパーパワーを見つけるのです。

マダム・ウェブの設定に加えられたアレンジ

 コミックでは、マダム・ウェブは高齢女性で盲目で蜘蛛の巣を思わせる特殊な生命維持装置につながっています。また重症筋無力症という病気にかかっています。つまり身動きできず、視力を失っているわけですが、サイキックパワーですべてを見通せる。コミックではこの力でスパイダーマンを助けます。

 一方、映画ではキャシーは30代前半の活動的な女性として描かれています。まず、重症筋無力症という設定は、もともとこの病気で生まれてくるリスクがあったが、それを蜘蛛の毒で治そうと母親がペルーの奥地まで行ったと説明されます。さらに、最後のエゼキエルとの戦いで相当なダメージを負い、コミック版に近い姿となります。したがって映画では、コミックの設定をうまくアレンジして取り入れていることがわかります。

 ところで、最後にキャシーたちがいる部屋、なんとなくMCUのドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)のサンクタム・サンクトラムっぽくありませんか? おそらくこれからのSSUにおいて、マダム・ウェブをドクター・ストレンジ的ポジションのキャラにしようということではないでしょうか?

今後のSSUとどう繋がる?

 この先のSSU、ないし時空を超えてMCUにマダム・ウェブが再登場するか? ですが、SSU作品にはアーロン・テイラー・ジョンソン出演の『クレイヴン・ザ・ハンター』が控えています。

 コミックではこのクレイヴンの一族が絡む「グリムハント」という事件(エピソード)でこの4人の女性たちの運命を変える事件が起こります。もしかすると、映画『クレイヴン・ザ・ハンター』でマダム・ウェブたちとの何らかのリンクが出てくるかもしれませんね。

 実は筆者は、本作の日本語吹替版の監修を担当しました。最初は台本だけの確認。面白いストーリーだけど少し地味かなと思ったのですが、完成した映画を観てビックリ。テンポがよくアクションも派手。サイキック対サイコパスのサスペンスアクションに仕上がっていて、何よりも4人のスパイダーな女性たちが魅力的です。ぜひご覧ください。なお日本語吹替版では‟ベンおじさん“という言い方がより印象に残るようにアレンジしました。ここもお見逃し(いやお聞き逃し)なく!

■公開情報
『マダム・ウェブ』
全国公開中
監督:S・J・クラークソン
出演:ダコタ・ジョンソン、シドニー・スウィーニー、イザベラ・メルセド、セレステ・オコナー、タハール・ラヒム、エマ・ロバーツ、アダム・スコット
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© & ™ 2024 MARVEL
公式サイト:https://www.madame-web.jp
公式X(旧Twitter):https://x.com/MadameWebJP

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