『アイのない恋人たち』本郷奏多×成海璃子の美しいハグ “アイ”を克服し始めた登場人物たち

『アイのない恋人たち』多聞×栞の美しいハグ

 自分の苦しみがどれほど深いものかを他人に理解してもらうことは、時に不可能に近い。人それぞれが抱える痛みや悩みは、その人にしか本当のところはわからないのかもしれない。しかし、そんな中でも忘れてはならないのは、自分に“アイ”を向けて、無条件に支えてくれる人々の存在だ。そんなことを思わせるドラマ『アイのない恋人たち』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第7話だった。

 脚本家を辞めたことにより、今村絵里加(岡崎紗絵)と稲葉愛(佐々木希)から厳しい非難を受けた久米真和(福士蒼汰)。結局仕事探しにも失敗した真和は、もとのフリーター生活に逆戻り。

 一方、郷雄馬(前田公輝)は結婚相談所で出会った相手から「私、ついに運命の人と出会えた気がして……!」と好意を持たれ、真剣交際を始める。「お前らの問題は急に盛り上がって、一気に距離を縮めちゃったことなんだから!」と真和に言われたことが効いているのか、トントン拍子に進む恋愛に「この後ツボを買ってくれとか言わないですよね?」と冗談混じりに予防線を張ってしまう雄馬。しかし、やはりまだ、心には近藤奈美(深川麻衣)の影がちらついているようで……。

 第7話の後半では、またしても息ぴったりのタイミングで互いへの未練を語った2人。会いたい、でも会えない。特に「もっと大人にならないと、よりを戻してもうまくいかないってわかってるんです」と涙ながらに語る奈美は、初回登場時よりも精神的にグッと成長したように見えたのではないだろうか。

 そんな中、第7話では、冨田栞(成海璃子)と淵上多聞(本郷奏多)のペアが新たな局面を迎えることになる。

 最終出社日を迎えた栞は、「できたら、もうちょっと女性が働きやすい環境にしてもらえたらなと思います」と締めた。さすがは、多聞が追い求めている“アイ(自分)”を持っている人物とも言える栞である。そして栞の送別会では、事前に番組公式X(旧Twitter)から第7話を楽しむキーポイントとして予告されていた「カラオケ」のシーンも。ワンコーラスとはいえ、本郷奏多がスピッツの「チェリー」を歌うシーンは、ファンにとって嬉しい演出だったはず。

 旅立ってしまう栞と入れ替わるように、ブックカフェにやってきた多聞。彼は、絵里加に「俺と付き合いませんか?」と半ば投げやりに尋ねたことで、「あんたに飲ませるコーヒーはない!」と絵里加にキレられてしまう。真和に水をかけた栞に続き、前回の伏線回収とも言わんばかりの展開に、このドラマの女性キャラの良さがますます引き立っている気がした。

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