塩野瑛久が語る、TVアニメ『ぶっちぎり?!』と『HiGH&LOW』に共通する“愛らしさ”

塩野瑛久『ぶっちぎり?!』『ハイロー』語る

『HiGH&LOW THE WORST』と『ぶっちぎり?!』の映像演出の凄さ

ーー最初に塩野さんが「MAPPAさんならではの動き」とおっしゃられていました。どういった部分で感じられましたか?

塩野:6話で荒仁が阿久太郎に立ち向かう時、周りが「行けーっ!」っていうようなところは、王道ですけど、アツいシーンでした。その時の喧嘩シーンの描写が、さすがMAPPAさんだなと思いました。絵力があるし、それが見ごたえになっていると思います。漫画ってコマとコマの連続で進んでいくけれど、アニメだとそのコマとコマの間を描けるところが良いところだと思うので。例えば喧嘩のシーンでは、拳を振りかざす瞬間の後に、場面が変わってもう殴り終わっていたりすることもあるんですけど、『ぶっちぎり?!』の喧嘩シーンでは殴る時の動きや顔の表情まで細かく描かれていて、臨場感がありました。キャラクターの目のドアップからカメラがグッと引いていくところは実写ではなかなか表現するのが難しくて、アニメだからこそ見れるカメラワークだなと思います。

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ーーすごく緻密なところまでアニメを観られているんですね。ほかにもアニメを観るときに気になる部分はありますか?

塩野:ほかの皆さんも、それぞれの見方があると思うんですけど、僕はけっこうそういう見方を言語化したくなっちゃうほうなんですよね。制作会社やアニメスタジオによって、特徴は違うと思うんですけど、光の加減や、影の落とし方に注目してみたり。アニメって、本来は「絵」であるのに、カメラワークが存在していて、観ていて勉強になります。

ーー映像の凄さという点で、『HiGH&LOW THE WORST』のシリーズに当てはめるとどのシーンになりますか?

塩野:『HiGH&LOW THE WORST』だと河川敷のシーンがそうですね。走っているところや乱闘しているシーンを長回しでワイヤーを使って撮っていて、スローで川の水がしぶいているところとかも絵力がありました。そういうシーンに参加すると、俳優としても緊張感があるし、熱も入ります。そんな俳優たちの緊張感や熱も映像で切り取ってもらいました。特に団地の乱闘シーンは、今でも僕のスマホに映像を保存して持ち歩いているくらいなんです。手持ちのカメラで団地の2階の乱闘を撮るところから始まって、今度はワイヤーに吊られたカメラマンが持ち替えて、地上から煽りで2階の乱闘を撮影したり、地上の乱闘を後ろにスライドしながら撮って、また移動して……というシーンをワンカットで撮影していて、それはもう凄まじいシーンですね。日本の映画でも、そうそうない迫力のシーンだと思うので、自分としてもすごい経験をしたなと思っています。

塩野瑛久

ーー『ぶっちぎり?!』で印象的だったのはどのシーンですか?

塩野:やっぱり、二次元ならではの良さが加わるところが、アニメの良さだと思っています。三次元では表現不可能だけれど、アニメだけにできることはたくさんあって、今回の『ぶっちぎり?!』での荒仁が覚醒するシーン、拳のシーンはやっぱり気合が入っていたと思います。僕がバトル描写において大事だと思うのは、拳で殴り掛かるときに、振りかぶるまでの過程も、その拳の行き先も描いているところだと思ってるんです。スピード感とか、迫力とか、一撃の重さとかをどれだけドラマチックに描けるかが大事だなと思っていて、『ぶっちぎり?!』の第6話でも、荒仁の一発を説得力を持たせて描かないといけないシーンがあって、MAPPAさんが気合を入れて描いているなと思いました。

ーー息を呑む演出でした。

塩野:あとは、同じく第6話の最後の方で、まほろちゃんが覚悟して凛と立っているところもカッコよかったですね。やっぱり男の子が多い世界観の中でも、女の子の強さも見せてくれる作品が好きだし、「女の子が弱くて守られる対象だ」という概念を打ち払ってくれるような要素があると、そこまで考えて作ってるんだなと思えるので、まほろちゃんの一本筋が通っているところも魅力的です。

1話から6話をおさらい!《期間限定》オリジナルアニメ『ぶっちぎり?!』特別公開!「蘇る!今夜はぶっちーバック to the 中華!」

■放送情報
『ぶっちぎり?!』
テレビ東京系ほかにて、毎週土曜23:00〜放送
Prime Videoにて、放送直後より最速配信
原作:内海紘子・岸本卓・MAPPA・東宝
監督:内海紘子
シリーズ構成・脚本:岸本卓
キャラクターデザイン・総作画監督:加々美高浩
サブキャラクターデザイン・総作画監督:齊田博之、伊藤公規、伊藤晋之
衣装コンセプトデザイン:澤田石和寛
美術監督:鈴木くるみ
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:加藤慎之助
編集:長坂智樹
音楽:大島ミチル
オープニングテーマ:Kroi「Sesame」
エンディングテーマ:甲田まひる「らぶじゅてーむ」
魅那斗會 チームソング:KDH & Novel Core「ステゴロ」
シグマスクワッド チームソング:BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「God Mode」
NG BOYS チームソング:DA PUMP「E-NERGY BOYS」
音響監督:菊田浩巳
音響制作:dugout
アニメーションプロデューサー:小川崇博
制作:MAPPA
声の出演:大河元気(灯荒仁)、星野佑典(浅観音真宝)、こばたけまさふみ(千夜)、永瀬アンナ(神まほろ)、佐々木望(神摩利人)、斉藤次郎(道満拳一郎)、野津山幸宏(座布翔)、山口勝平(魁駒男)、竹内良太(大英王太)、古川慎(蛇走流)、葉山翔太(刃暮達兎)、鈴木千尋(心土阿久太郎)
©「ぶっちぎり?!」製作委員会
公式サイト:bucchigiri.jp
公式X(旧Twitter):@bucchigiri_PR

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