『Firebird ファイアバード』俳優陣が作品に込めたメッセージ 「“愛とは何か”を見つめて」

『Firebird』主演俳優2人が語る

トム・プライヤー「“愛とは何か”ということを見つめ直してほしい」

ーー映画で描かれているのは50年以上も前のことですが、戦争や同性愛に対する偏見などは現代にも通じる問題ですね。

ザゴロドニー:この映画では、とても普遍的な愛を描いています。セルゲイとロマンは魂で愛し合い、1970年代を生きました。一国の首相や大統領であっても、俳優であっても、兵士であっても、誰にでも人を愛する権利があります。この作品に限らず、映画を観て、「このままではいけない」と思うことがたくさんありますよね。そういう意味でも、映画をはじめとするアートには人の人生を変える力があると思いますし、アートから影響を受けて我々の人生が変わっていくのであれば、アートには世界を良くしていく力があるということでもあると思います。政治や法律は世の中を良くしていくためにあるべきもので、人を不幸にするようなものは政治や法律ではありません。映画を通して、そういうことが少しでも良い方向に変わっていってくれればいいなと思っています。

(左から)オレグ・ザゴロドニー、トム・プライヤー

プライヤー:映画は、視点を少し変えて物事を見ることを観客に問いかけるものだと思っています。『マトリックス』や『インセプション』は、「あなたが見ている世界は本当に現実か」ということを問いかけるのような作品ですが、この映画は、「愛の本質とは何か」「愛の可能性とはどういうものか」を少し違う視点から描いています。セルゲイはロマンとの愛を得て、惹かれ合って、そして失っていきますが、愛は永遠にあるものだと思います。この作品を通して、皆さんにもぜひ「愛とは何か」ということを見つめ直してほしいと思っています。

■公開情報
『Firebird ファイアバード』
新宿ピカデリー、なんばパークスシネマほかにて公開中
監督・脚本:ペーテル・レバネ
共同脚本:トム・プライヤー、セルゲイ・フェティソフ
原作 : セルゲイ・フェティソフ
出演 : トム・プライヤー、オレグ・ザゴロドニー、ダイアナ・ポザルスカヤ
配給 : リアリーライクフィルムズ
2021年/エストニア・イギリス合作/英語・ロシア語/107分/1.85:1/5.1ch/DCP & Blu-ray/日本語字幕翻訳 : 大沢晴美
©FIREBIRD PRODUCTION LIMITED MMXXI. ALL RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms
公式サイト:www.reallylikefilms.com/firebird

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる