『不適切にもほどがある!』宮藤官九郎が描く正しい“多様性” まさかのミュージカル展開に
和式トイレについても「今どきありえない」という声が大半だと思われるが、どうやらスムーズな排便にはとても理にかなった体勢らしいし、便座に肌が直接触れないという衛生的な利点もあるそうだ。新しいものには新しいものの、古いものには古いものの、メリット・デメリットがあるということ。時代の流れとともに様々なものが洗練されてきているようで、もしかしたら必要だった何かまで削ぎ落としてはいないかと、問いただされるようなドラマだと思った。
とはいえ、そんなメッセージを堅苦しく投げかけるわけではないのが、宮藤官九郎脚本の魅力だ。「話し合いましょう」と会社員の秋津(磯村勇斗)が突如歌い始める形でミュージカルシーン。その展開は連続ドラマとしてはかなり新鮮な印象を持ったが、そんな型にはまらないスタイルこそ「多様性」の正しい使い方のように思えて頬が緩んだ。そんな2024年を生きるゆとり世代の秋津と、1986年を生きるムッチ先輩こと秋津睦実を磯村が1人2役で演じているところも、これからどのような展開を迎えるのかワクワクさせられる部分。どんな形で繋がってくるのか楽しみだ。
そして、すぐに1986年に戻れると思っていた市郎が、帰る術を失ったところで終わった第1話。次回の予告編を見ると、仲里依紗演じるシングルマザー・犬島渚の働き方についての話題になるようだ。今の時代の人間がなかなか口にできないことを、市郎の口から「ここが変だ!」とズバッと斬っていく。そんな金曜の夜を、ハラハラしながらも楽しみたい。
■放送情報
金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』
TBS系にて、1月26日(金)スタート 毎週金曜22:00〜22:54放送
※初回は15分拡大
出演:阿部サダヲ、仲里依紗、磯村勇斗、河合優実、坂元愛登、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩、山本耕史、古田新太、吉田羊
第1話ゲスト: 木下晴香、咲妃みゆ、菅原永二
脚本:宮藤官九郎
プロデュース:磯山晶、勝野逸未
演出:金子文紀ほか
主題歌:Creepy Nuts「二度寝」(Sony Music Labels)
編成:河本恭平、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
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