『ブラッシュアップライフ』は観るたびに新たな発見がある “考察ドラマ”は次のフェーズへ
2023年に考察が話題になったドラマとして『unknown』(テレビ朝日系)、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)、『CODE-願いの代償―』(読売テレビ・日本テレビ系)、『VIVANT』(TBS系)などが挙げられる。しかし改めて見てみると、『あなたの番です』(日本テレビ系)などの考察ドラマの系譜から鑑みても、2023年に入ってからというもの、次のフェーズに移ったとも言えるのではないだろうか。「考察もの」としての先の読めなさで、視聴者の意識を終盤まで引っ張りながら、尚且つ、作り手の伝えたいことはしっかりと描き込まれている。例えば『unknown』が描いたのは、その後映画『ミステリと言う勿れ』が描いたことにも共通する、自分と異なる(あるいは同じ)性質の人間を排除しようとする人間の恐ろしさであり、世界中のあらゆる差別や迫害についての寓話だった。『最高の教師』であれば、生徒役を演じた若手俳優陣の熱演だったり、真摯に人と時代と向き合う松岡茉優の佇まいの素晴らしさだったりが作品の核心だったと言える。『CODE-願いの代償―』が終わってみて視聴者が感じたのは、先の見えない人間同士の欲望のぶつかり合いの果てに、AIの思考が人間の思いを超越してしまう怖さだった。そしてそれらは、一度だけ観るのでなく、2度観ることでより楽しめる作品であるということでもある。
この記事の書き手である私自身も、『ブラッシュアップライフ』を観るのは3度目だが、観れば観るほど新たな発見があるのが本作の醍醐味である。そもそも「真里(水川あさみ)の1周目」を知ってから観る第1話と、知らずに観る初見の第1話では見方がだいぶ異なる。年末年始の過ごし方の1つとして、『ブラッシュアップライフ』イッキ見、オススメである。
■リリース情報
『ブラッシュアップライフ』
Blu-ray&DVD-BOX発売中
Blu-ray BOX:29,040円(税込)
DVD-BOX:22,990円(税込)
【映像特典】※セルBlu-ray BOX、DVD-BOX共通
・メイキング
・座談会
・Huluオリジナルコンテンツ『ブラッシュアップライフ~アナザーストーリー~』
・PRスポット
【封入特典】※セルBlu-ray BOX、DVD-BOX共通
・オリジナルブックレット
出演:安藤サクラ、夏帆、木南晴夏、染谷将太、志田未来、松坂桃李、黒木華、臼田あさ美、三浦透子、山田真歩、鈴木浩介、市川由衣、野呂佳代、田中直樹、水川あさみ、バカリズム
脚本:バカリズム
演出:水野格、狩山俊輔、松田健斗
音楽:fox capture plan
プロデューサー:小田玲奈、榊原真由子、柴田裕基、鈴木香織
チーフプロデューサー:三上絵里子
企画協力:マセキ芸能社
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
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