吉高由里子×柄本佑が考えた平安時代への向き合い方は? 「心の感覚はずっと変わらない」

吉高×柄本が考える平安時代への向き合い方

 本作では、道長の父・兼家(段田安則)と長兄・道隆(井浦新)、次兄・道兼(玉置玲央)、そして道長の三兄弟による血生臭い政権争いも見どころとなる。三郎は2人の兄の陰で目立たず、のんびり屋な性格であるが、「引いて見ていてる、ある種の頭の良さがあったりもしていて、そんな彼があれよあれよという間に、政治に関わっていき、本当の自分と家を守らなければいけないところのせめぎ合いがあったりする、そんなふうな役柄だと思っています」と柄本は道長の人物像について説明した。

柄本佑

 平安時代と現代とで共通している部分について聞かれると、吉高は「心の感覚はずっと変わらないんだなって、やっていて思う」と話す。それに柄本も「思う、思う。だから、気持ちの面では平安時代を意識するというよりかは、もちろん大石先生の本がありきではあるんですけど、今の感覚で向き合っていった方が、変に平安時代とかって考えるよりも物語の世界に入っていけるかなと思っていましたね」と演じる上での心持ちを述べた。

吉高由里子

 また、大河ドラマとしては珍しい戦のない平安時代を描くことについて大石は、「戦国時代に集団で殺し合いをしたり、明治維新で富国強兵に向かう時に国民の意識をそちらに向けたりと、武士の世界こそ潔いというようなことへの一つの反発として、平安時代は話し合いで乗り越えていこうという知的な時代であって、国風文化も栄えたいい時代であったっていうことを強調したいなと。今までの視聴者の皆さんの感覚に対して、「ほんとにそうなの?」っていうことをこの1年で問いかけたいなとは思っています」と意欲を示した。

(左から)大石静、吉高由里子、柄本佑

 なお、『光る君へ』の中で紫式部が執筆することになる『源氏物語』を劇中劇として描くことはしないと内田は明言。「光源氏は誰かという期待の声も大きいんですけれども、紫式部の人生と、『源氏物語』の光源氏の人生っていうのは、重なってはいないんですよね。例えば、劇中劇みたいなことは考えていないですね。ただ、『源氏物語』は恋愛ストーリーというふうに言われているんですけれども、実は光源氏もそういった権力争いの中に生きていましたし、光源氏が愛する女性たちはいろいろなパターンの女性が、それぞれ喜びや悲しみを抱えて生きているというのが、おそらく1000年のベストセラーの秘密かなと思っています。ドラマの中では、道長は権力の上に生きていくことになるわけですけれど、まひろはそれを見つめた上での思いですとか、自分も含めた女性の思いっていうのを、フィクションに生かしていくっていうのを、主に物語の後半になりますけれども、一つの見どころと思っていただければと思っています」と今後の見どころを話していた。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、2024年1月7日(日)スタート(初回15分拡大版)
NHK総合:毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4K:毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4K:毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、岸谷五朗、国仲涼子、高杉真宙、段田安則、三石琴乃、井浦新、玉置玲央、吉田羊、板谷由夏、ファーストサマーウイカ
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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