『うちの弁護士は手がかかる』蔵前と杏のバディ復活 “内なる声”を引き出す辻井のアシスト
『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)も残り2話。最終章突入前の第9話は、蔵前(ムロツヨシ)が笠原(吉瀬美智子)のマネージャーに復帰した矢先に脱税の容疑で逮捕される。
笠原事務所で脱税が行われていたのは事実。総額は1億円に及ぶ悪質なもので、検察は押収した証拠から経理の責任者である蔵前が脱税を主導したと判断していた。「私は、あなたがいなくても大丈夫ですから」と杏(平手友梨奈)から告げられ、香澄法律事務所を去った蔵前を笠原は手厚く歓迎した。月収アップだけでなく、蔵前の腕にはロレックスが光る。明らかにおかしいことを山崎(松尾諭)と辻井(村川絵梨)から指摘されても、蔵前はそれを必死に否定するばかりだった。
蔵前には、海外進出するまでのトップ女優・笠原を30年間サポートしてきたという確固たる自信がある。30年という時間を彼女に捧げてきた自負。「あなたの仕事は誰がやっても変わらない」と切り捨てられても、やはり自分を必要としてくれたんだ――そう思っていた蔵前だったが、面会室にて笠原から現実を突きつけられる。机を「コンコン」と叩き、左の手の平を見るように合図する笠原。そこには「黙っててね」の文字。それは、余計なことは喋るなという軽い脅しにも似た口封じであり、もう一度マネージャーとして誘ったのは脱税の全てを自分に押し付けるためだったと知れば、蔵前の精神的ダメージは計り知れない。
憔悴しきった蔵前は法廷でも自暴自棄になって余計な発言をしてしまう。そんな蔵前を救うのは、バディの杏だった。「付き合う直前のカップルか!」とツッコミたくなるような面会室でのお見合いから、杏は素直に蔵前に謝罪(成長!)し、自分を見失っている蔵前の心を奮い立たせる。蔵前の喪失感の奥に眠る笠原への感情は怒り。やってもいない罪を押し付けられるのはおかしいと、杏とともにもう一度立ち上がることを蔵前は決心する。