『どうする家康』山田裕貴が「俺は認めぬ」に込めた思い 本多忠勝として台本を超えた瞬間

山田裕貴、本多忠勝として台本を超えた瞬間

波岡一喜との芝居での不思議な体験

――最終的に山田さんが描きたかった忠勝像はどのようなイメージでしたか?

山田:僕が思ってることとして、「歴史はこうだったでしょ」というような決めつけが好きではないんです。クランクインする前、岡崎城にある資料館を案内してもらった時に、本多忠勝の肖像画は本人が8回描き直させていて、もしかしたら僕のようなすらっとした人だったのかもしれないということを聞いた時に、自分が本多忠勝を演じることに自信が持てたんです。忠勝は人の思いを背負える人物で、柔軟で繊細で、相手の心を受け止められる人。殿に反発してしまうのは、その気持ちが分かるからこそ強く言えてるんですよね。自分が強くいなければ、この殿はダメかもしれないという思いで強く立ってると思うんです。叔父上(本多忠真)が亡くなるシーンは、演じる波岡(一喜)さんが台本にはない、抱きしめるという芝居を増やしてきて、その時に演じてはいない幼少期の記憶がバーッと頭の中に流れ込んできた感覚になったんです。というかその映像が見えたんですよ。不思議な体験で、役を生きていないと僕はそこに達することはできなかっただろうし、それは忠勝さんが見せてくれたんだって、僕は思っています。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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