『下剋上球児』球児インタビュー第2回:橘優輝 “一緒に上を目指す”仲間たちへの思い
次代のスター候補生たちが揃うTBS日曜劇場『下剋上球児』。役者としての演技はもちろん、甲子園を目指す越山高校野球部として説得力をもったプレイを見せなくてはいけない球児たち。本気のオーディションを経て選ばれた彼らはどんな思いで撮影に臨んでいるのか。放送に合わせて球児たちへ連続インタビュー。第2回は、チーム一の俊足・久我原篤史役の橘優輝。
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次代のスター候補生たちが揃うTBS日曜劇場『下剋上球児』。役者としての演技はもちろん、甲子園を目指す越山高校野球部として説得力を…
みんなが演技に対して本気
――放送が始まって、身近な方からの反響はいかがですか?
橘優輝(以下、橘):母は僕の出る作品を全部観てくれていて、第2話で僕が喋った後に「どうだった?」と聞いたら、「すごく自然で良かったよ」と。母はずっと楽しんでくれているので、何を観ても褒めてくれるんだと思います(笑)。
――(笑)。今回は、長期にわたるオーディションで抜擢された役柄です。
橘:野球経験がなかったので、オーディションが行われると聞いてからたくさん練習しました。ずっと陸上部だったので、50m走を測定するときに「思いっきり走るしかない」と思っていました。オーディション中は一度も手応えを感じられず、毎回祈る気持ちでいました。
――結果として、役にも俊足が活かされていますね。
橘:本当に陸上部でよかったなと思いました。でも、陸上競技場と野球のグラウンドでは走り心地が全然違って、グラウンドは土に足が持っていかれるんですよね。なので、第2話で僕が走ったシーンは、「今ならもうちょっとカッコよく走れるのにな」とは思います(笑)。
――野球経験がないとのことですが、どの程度知識があったのでしょうか?
橘:野球のゲームをやっていたり、ちょうどWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)も観ていたりしたので、ルールはなんとなく知っていました。でも、どう動けばいいのかとか、外野手も打球にあわせてカバーに行かなきゃダメとか、そういう細かいところはわからなかったので、経験者の方に教えてもらいながらやっていました。
――実際、野球をやってみていかがですか?
橘:めちゃくちゃ楽しいです。キャッチボールをするだけでも楽しいので、気を引き締めないと(撮影ではなく)「ただ野球をしに来た!」という感覚になってしまいそうで、危ないときがあります(笑)。
――塚原あゆ子監督は、「橘さんに出会わなければ、久我原というキャラクターは生まれなかった」とおっしゃっていました。
橘:僕も記事を読んで初めて知って、本当に嬉しかったです。引き続き、気を抜かずに万全な状態で走れるように身体をケアして、怪我だけは絶対にしないよう心がけています。
――初めはスライディングに苦戦していたと聞きました。どのように苦手を克服したのでしょうか?
橘:合宿のときに、芝でスライディングをする機会があったんです。たぶんスライディングができない原因は、土に向かってドンッと行くことへの恐怖心だけだったんですよね。芝はフカフカだったので恐怖心なくできて、「できるんだ」とわかってからは、少し気合を入れるだけでできるようになりました。
――久我原を演じる上で、意識したことはありますか?
橘:久我原は周りが暗くても自分だけは明るいようなキャラクターです。でも、僕は周りが暗くなると自分も流されてしまうようなところがあるので、現場に入るときはいつもより少し明るくいよう、と意識していました。
――今回の現場はアドリブも多いとのことですが、橘さんもアドリブを?
橘:久我原が調子に乗るシーンで、特にセリフはなかったんですけど気づいたらちょっと踊っていました。アドリブで先輩たちにいろいろ言われて、「何ですか!?」と言い返すような場面なんですけど……なんで踊ってたんですかね(笑)。ふだんから、みんなのアドリブは「台本のセリフにあったかな」とわからなくなるくらい自然ですし、(鈴木)亮平さんは僕たちの気持ちがもっと乗るように、アドリブで言葉を付け足してくださったりもします。
――アドリブに応えるのは難しいイメージがありますが、逆にやりやすくしてくれると。
橘:そうですね。それに、同じ1年生は野球部員として3年間やっていて仲が良いと思うので、急にアドリブが来ても気負わずにやれています。
――『最高の教師』から2作続けて学園モノですが、今回の現場ならではの面白さはありますか?
橘:自分にとって先輩たちばかりなのですが、男性が多い現場なので気を遣うことも少なくて楽しく過ごしています。
――現在1年生の6人(犬塚翔役/中沢元紀、根室知廣役/兵頭功海、椿谷真倫役/伊藤あさひ、日沖壮磨役/小林虎之介、楡伸次郎役/生田俊平)は一緒になるシーンが多いと思いますが、特によくお話しする方はいらっしゃいますか?
橘:誰かとずっと一緒にいるわけではないですけど、同じ外野の生田俊平くんとは撮影カメラが回っていない合間もずっとキャッチボールしていますし、最近は(伊藤)あさひくんともよく喋っています。
――役としては1年生から3年生へとどんどん成長していきますが、橘さんご自身としても役者としての成長を実感できていますか?
橘:それはすごく感じています。1年生に限らず、みんなが演技に対して本気で、撮影の合間にも演技についてたくさん喋っているので、話を聞いているだけでも刺激になります。「まだまだ上を目指さないといけないな」と思わせてくれるメンバーですね。